まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

あやかし露天商ティキタカ

あやかし露天商ティキタカ (GA文庫)

あやかし露天商ティキタカ (GA文庫)

ストーリー
ある日突然江口海人の机の引き出しから現れた謎の美少女・ティキタカ。
あやかし相手の商売をする露天商の彼女は、店を開くために海人の部屋を借りたいという。
賃料代わりにモテ薬を渡すと言われ、ホイホイと契約を交わしてしまう海人だったが……。



第7回GA文庫大賞<奨励賞>受賞作品。あやかしに不思議グッズを売る商売人と、そんな不思議グッズに振り回される少年少女たちのお話。
なんといってもティキタカが魅力的でした。ヒロインとしてではなくて一歩引いたところから接してくる、何を考えているのかよく分からないトボケキャラが実にいいですね。
そんな彼女の商売道具である、ユニークでちょっと危険な道具によって巻き起こる事件の数々が楽しい作品でした。


どこぞの猫型ロボットよろしく机の引き出しから飛び出してきた超絶美少女・ティキタカ。
主人公・海人の部屋があやかしを集めるのにちょうどいいということで、モテ薬の譲渡と引き換えにあやかし向けの露天商を開く契約を交わします。
ティキタカはなかなかに面白いキャラクターですね。基本無表情で、大きく感情を表に出すこともないのですが、いきなりウイイレをやろうとせがんできたり、真顔でド下ネタをぶっこんできたりして、見ていて飽きません。相手があやかしだろうがなんだろうが、可愛いもんは可愛いし、欲情だってしてしまうのだ。男の子だもん。
一方のメインヒロインは、いつの間にか疎遠になってしまっていた幼馴染み・葵。
モテ薬の一件がきっかけとなって無事に仲良しに戻ることができたふたりですが、それにしても、ずいぶん一気に距離を縮めたもんですね! 離れていた時間はなんだったのかと疑問に思えてくるくらい海人にベタ惚れで、なんだかあっさり一線を越えちゃいそうな勢いでした。ニヤニヤ度高いです。


海人がティキタカの道具を買うためには、自らの「人間」を一部彼女に売らなければなりません。
「人間」は自然と回復していくけれど、50%を超えてしまったらもう人間には戻れない……という設定の時点で、なんとなく終盤の展開が見えてしまうわけですが……。
さて、とあるあやかしにまつわる事件に巻き込まれて、案の定、人間を捨てるかどうかという決断を迫られる海人。
しかし、この場面の海人は、ちょっと擁護のしようがないくらいにおバカさんでしたね……。証拠もなにもないうちから、そうしちゃうかと。恋は盲目と言いますが、いくらなんでも思慮不足が過ぎるように思いました。女の子たちの機転に感謝しなさいよ。
最後の方でちょっと、主人公の株がガタ落ちしちゃいましたけど、雫やシャルルといった他のヒロイン陣もそれぞれ可愛くてよかったし、楽しく読めました。次はどんな道具が登場してくるのかな。


イラストはゆらんさん。キラキラした目が印象的な絵柄ですね。
海人の体を撫で回すティキタカの1枚がお気に入りです。ドキドキします。


なんというウイイレ販促ラノベ