まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

いでおろーぐ!3

ストーリー
年度が変わって入学してきた新入生を勧誘すべく、歓迎会に乱入する反恋愛主義青年同盟部。
そして現れた入部希望者・天沼皐は、領家に負けず劣らずの過激思考の持ち主だった。
しかし彼女は、ある裏の顔を隠し持っていて……。



反恋部に奇跡の新入部員が! ところが彼女は敵側のスパイで……な第3弾。
素晴らしかったです。天沼に振り回される高砂と、それを見て関係を誤解する領家、すれ違うふたり。
アンチラブコメという名の、見事なラブコメ展開を披露してくれました。


新学期。まだ恋愛至上主義に毒されていない新入生を狙って、勧誘活動に勤しむ反恋部の面々。
ようやく見つかった新入部員・天沼は、領家も驚く過激な反恋愛主義者!
しかしそんな天沼を逆に怪しんだ高砂は、ひとり彼女に接近して、やはり大性欲賛会のスパイであることを知るのでした。
正体は暴いたものの、逆に弱みを握られた形になってしまった高砂。休日にまで呼び出され、1日連れ回され、そして致命的な事件が起こってしまいます……。
うーん、最高! 誤解とヤキモチとすれ違いはラブコメの華! この胸がぎゅっとなる切なさが、たまらない!
いやはや、領家も高砂もめちゃくちゃ不器用すぎて、素直になりきれなくて、本当にもどかしいのですが、そこがいいんですよね。


完全にすれ違ってしまったふたりの力になったのは、反恋愛を掲げるはずの、反恋部の部員たち。
西堀も瀬ヶ崎も神明さんも、それぞれのやり方で、高砂を応援したり、叱咤したり、背中を押したりしてくれました。素敵な仲間たちじゃないですか。まあ、瀬ヶ崎だけは、やっぱり残念なロリコンでしたけど……。
今までは、ふとした時に領家が想いを伝えてばかりでした。でも今回やっと、一歩先へ進んでくれてよかったです。
それにしても、領家と高砂って本当に絶妙な関係ですよね。これだけ好きあっていても、付き合えない理由があるから付き合わない。でも好き。
付き合う直前の、一番楽しいタイミングをずっと続けているみたいな。ちょっとズルいレベルのニヤニヤ度の高さです。「他の人とは付き合わない」っていう約束とか、もうほんとさ……。君たちさ……。
来る夏に向けて、ふたりがどんなムズムズ恋模様を見せてくれるのか、楽しみでなりません。もちろん反恋部の活動の方もね、新しい仲間もできたし、まあ、変わらず和気あいあいとやってくださいということで。


リア充の武器=自撮り棒は笑った。