まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

最強ゲーマー、異世界にて実況プレイ中

最強ゲーマー、異世界にて実況プレイ中 (オーバーラップ文庫)

最強ゲーマー、異世界にて実況プレイ中 (オーバーラップ文庫)

ストーリー
古今東西あらゆるゲームをやり込んだ22歳の高坂葵は、『ゲームが得意な方を優遇』という怪しげな求人広告に釣られ、面接を受ける。
即合格を受け、仕事場に案内された葵は、気が付くと異世界ファンタジーの世界に放り込まれていた。
ダンジョンと銘打っておきながら小屋しかない峡谷のドン底で、ツルハシとシャベル片手にサバイバルを始める葵だったが……。



第2回オーバーラップ文庫大賞<金賞>受賞作品。ダンジョン運営という名目で異世界に飛ばされたゲーマーな主人公が、ツルハシとシャベルを抱えてコツコツと異世界まったり生活を始めるお話。
自然以外にほぼ何もない状況から、地道に石を削って売ったり、苔からポーションを作ったりして、少しずつ儲けていくワクワク感がよかったです。
コボルト娘なヒロインもロリ可愛いですね。多少犯罪のにおいを感じても異世界なら大丈夫! たぶん!


就職浪人の主人公・葵は、「施設の管理」業務を謳う謎の企業の面接を受け、無事に合格。
その施設というのが異世界のダンジョンだったわけですが、手違いがあって、峡谷の底の現場にあったのは粗末な小屋と大自然のみ!
元の世界に戻ることもできず、手元にはダンジョン管理ツールで生み出せるツルハシとシャベル、そして通信で物を売買できる特殊な装置。
ろくに食べ物もない中、とりあえず断崖の石を切り出して売るところからはじめて、少しずつ儲けを出しては事業(?)を広げ、生活を豊かにしていく……そんな、サバイバルのようで意外とイージーモードのようでもある異世界生活がスタートします。
自然の中から売れるものを見つけ、少しでも高く売れるように加工して売ったり、逆に通販で必要なものを買って、それを新たな商売につなげたり。何もないところからどんどん開拓を広げていくのは、本当にそういうゲームみたいで楽しいですね。
生活に慣れてきたあたりでダンジョンの住人も追加です。断崖から落ちてきたハーフコボルトのアンは、見た目は犬に近い小さな女の子。
アンがやってきたことで、彼女を元の村に返すという目標ができたのがよかったですね。意外と早めに達成されて驚きましたが。


アンの村で色んな種族の人々と出会った葵は、抜け目なく商売を開始。そしてアンも、真の姿を解禁。
すっかり葵に懐いてしまったアンはとても可愛いです。叔母から吹き込まれるままに葵の「お妾さん」の立場を狙って色仕掛けしてくるんだけれど、その意味を全く分かっていないところがまた可愛い。モフモフしたい。
そんな平和な日常の中でいきなり訪れた村の危機に、葵が颯爽と駆けつけるわけですが……。
葵のゲーム脳はホンモノですね。平然とこういうことができるのは、はっきり言って理解しがたいし、主人公としてどうなんだとも思いました。やってることはまあ、ヒーローそのものではあるんですけどね……。
ラストで主人公にだいぶ疑問が生まれてしまいましたが、ともあれ、彼が次からどんなダンジョン経営を進めていくのか楽しみなことに変わりはありません。アンとのイチャイチャにも期待しています。


イラストは加藤いつわさん。コボルトモードと人間モード、どっちのアンも可愛い!
サラのイラストももっと見たいですね。


どの世界でも通販サイトは万能だな……。