まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

成り上がり英雄譚 屑星皇子の戦詩2

成り上がり英雄譚 屑星皇子の戦詩2 (HJ文庫)

成り上がり英雄譚 屑星皇子の戦詩2 (HJ文庫)

ストーリー
小国エルラーンへの婿入りを機に、帝国十州がひとつ、アゼルキア州を水面下で掌握した屑星皇子ラウル。
しかしまだまだ力不足が否めない現状を打開すべく、ラウルは内戦に揺れるバルゼイア連合へ出稼ぎに赴くことに。
バルゼイア連合盟主の軍に傭兵として参加するエルラーン軍だが、敵の反乱軍は最新鋭の火槍を備えていて……。



新婚早々妻を残して出稼ぎ派兵の巻。でも本格的な戦いは次回から。
ルシエとマリーベルの両ヒロインがいい味出してますね。特に遠くからラウルを思うルシエが切なくてよかったです。
一方でラウルに付いていったマリーベルの方も、皇子への気持ちを抑えつける姿が痛々しい。罪な男だ。


アゼルキア州を手にしたものの、強大な兄2人に対抗するにはまだまだ金も兵も足りないということで、今度は傭兵として出稼ぎに行くことにしたラウル。
アゼルキア州を獲って以降、新婚の妻にはゲルトリッシュ砦周辺の開墾作業を命じており、ただでさえずっと会えていなかったというのに、今度はラウルの方が1人で戦場へ……。
挙句、久しぶりに会えた出兵の際にまで、見送りはいいから作業を続けて、とか言いだすんだから、乙女心が欠片も分かっていないなこの朴念仁皇子は!
1巻から主人公とヒロインが結婚して、これからどんなイチャイチャが始まるんだろうとドキドキしたあの頃の私の期待を返してくださいよ! まったくもう!
ラウルの方の気持ちはいまいち分からないところがありますが、ルシエの方は、素直になりきれないながらもラウルにすっかり落ちてしまった様子。まあラウルがあの調子だから、素直になりようがないというかなんというか……。戦場に行った夫を思ってラウルの服を抱きしめる彼女が健気すぎて、きゅんとしちゃいました。妻っていい響きだよな……。


リーベル、リハルトを連れ、1万の兵と共にバルゼイア連合へやってきたラウル。
火槍と呼ばれる、この大陸では最新鋭の砲を用いた敵の戦術に苦労しつつ、なんとか戦果を挙げることに成功します。
そんな中出会った、ジャターユ傭兵騎士団の美少女傭兵・ティナ。ラウルの腕を買った彼女に言い寄られ、現場を発見したマリーベルが激怒する事態に。
リーベルも、ずっとラウルへの思いを募らせ続けていたのに、もう諦めることしかできなくなった立場ですからね。ラウルとルシエの仲を本気で応援している姿が、また切ないんだ。
ラウルも、マリーベルのことはとても大切に思っているようだし、相変わらず膝枕も続けているし、もしかすると、もしかしてしまいそうでちょっと怖いです。このヘタレめ! 個人的には、ルシエとの愛をしっかり育んでいってもらいたいんだけどなあ……。
さて、出稼ぎ派兵の間に、またひとつ大きな危機が訪れようとしています。ここまででだいぶ力を溜めた感があるので、次こそ戦記ものらしい場面が見られることを期待したいですね。
リーベルとリハルトはもちろん、新キャラのシバや、敵の天才将軍コーデリアの活躍も楽しみです。あとルシエの出番を! どうぞよろしく!


戦記ものにはぜひともほしい「前回のあらすじ」に拍手喝采。