まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

イチから始める最強勇者育成2 王道という概念が存在しない厄介な勇者王座決定戦

ストーリー
魔王を名乗るうさんくさすぎる手紙にホイホイされ、最強勇者を決める大会に参加することになってしまったミアたち。
クロノスの暗躍もありつつ、3人は順調に大会を勝ち上がっていく。
そんな中、ある失敗のせいでシルフィーが落ち込んでしまい……。



なぜか女神から選ばれてしまった残念勇者三人娘を魔王に勝たせるべく、かつての最強勇者が四苦八苦するドタバタギャグファンタジー第2弾。
相変わらずやりたい放題な三人娘と、過保護っぷりがさらにエスカレートしつつあるクロノスの陰ながらの努力に笑わせてもらいました。軽快な会話ギャグも本当に素晴らしい。
ミアもシルフィーもライアもダメダメなようで、地味にクロノスの教えを活かして成長している部分もあって、ちょっと感慨深いです(すっかり父親目線)。


最強勇者決定戦なる、見るからに胡散臭すぎる催しに参加することになった一同。
借り物競争ならぬもらい物競争や、森で食材を探しての料理対決など、ホントに最強勇者を決める戦いなのか甚だ怪しい内容ではありますが、それでも優勝者には神器がもらえる(かもしれない)とあって、負けるわけにはいきません。
凄いものをもらうために迷わず王城へ殴りこんでいく三人娘のムチャクチャっぷりにはもはや呆れを通り越して笑うしかないですね!
クロノスが彼女たちを止められれば何も問題はないんですけど、それができないから、結局見えないところで、クロノスが王城を単独突破することになるわけです。しかも、ミアたちには正体を隠しながら……クロノスがあんまり簡単にやっちゃうから麻痺しちゃってますが、どう考えてもこっちの方が重労働でしょ!
その上、攻略の中でさりげなく城のメイドや王女を恋に落としてしまったりもしていて、でも彼の目には三人娘しか見えていないんだから、つくづく罪な男です。


最終クエストは、村に蔓延している奇病の謎を解くこと……ということで、早速それぞれ奇病に罹ってしまう一同。
シルフィーに犬耳と尻尾が生えたり、クロノスと手を繋いだまま離せなくなってしまったり、ミアは嘘をつくと服が脱げるようになったりと、ラブコメ的においしい奇病に罹る中、1人だけただの無気力病になってしまうライアが、なんか色々不憫!
今回は一応シルフィー回だったので、もちろん犬耳シルフィーも魅力的だったのですが……。逐一ツンデレを発揮しては服が吹き飛んで焦るミアが、もうとんでもなく可愛くてよかったです。クロノスの方も、珍しくミアの気持ちを汲んで、手を握っちゃったりなんかして、大いにニヤニヤさせてもらいました。
ラストバトルはS級勇者と三人娘との戦い。クロノスからの教えに全く耳を貸さないように見えた三人娘ですが、ミアを筆頭に、なんだかんだで彼のアドバイスを取り入れて戦えていて、胸がほっこりしますね。
残念な彼女たちなりに、少しずつ前へ前へと進んでいってはいるので、この調子で世界とか救っちゃえばいいんじゃないかな! 頑張れ、主にクロノスが!


ルマンドはマジ神のアイテム。