まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

華枕

ストーリー
人の抱える不安や痛みを癒やす異界の遊郭『華壇』で、自らの願いを叶える対価として『華枕』として働く少女たち。
願い事の記憶を持たないまま華壇に迷い込んだ少女タンポポは、なしくずしで華枕として働くことに。
しかし、タンポポの世話係に選ばれたキンモクセイは、美しい容姿とは裏腹にひねくれた性格の持ち主で……。



抱き枕発のメディアミックス! ……という宣伝文句に釣られて手に取りました。
願いと引き換えに異界の遊郭で「おつとめ」に励む美しい少女たちを描いたファンタジックストーリー、ほんのり百合風味。
新人・タンポポと、冷たいようで心根は優しい少女・キンモクセイの交流に心温まりますね。


記憶のほとんどを失ったまま、異界の遊郭「華壇」に迷い込んだ主人公の少女タンポポ
そこは、願いを叶えてもらった少女たちが、代わりに人を癒やす「華枕」として働く場所でした。
うーむ、雰囲気がいいですね。無邪気な女の子が華やかに着飾って歩きまわる純和風のお屋敷。しかしその奥では、毎日誰かが「おつとめ」に励んでいる……。
「おつとめ」というのがつまり、抱き枕業務(?)ということなんでしょうが、実際の行為までは及ばないにしても、この純粋な子たちが、裸で、夜な夜な男性と添い寝をしていると思うと、色々と背徳的な匂いがしてくるではありませんか。抱き枕を使うのに、ちょっと罪悪感を覚えてしまいそうです。


タンポポのお世話係として選ばれたのは、気が強くて他人とあまり関わりを持ちたがらない少女・キンモクセイ
初めこそぎくしゃくした間柄だったけれど、タンポポが作った玉子焼きを食べてもらったり、一緒にお風呂に入ったり、生活を共にしていく中で、ゆっくり絆を育んでいくふたりの様子に、胸がほっこりとしてきます。
「おつとめ」練習のときは、もちろん練習相手にもなったりして……眼福眼福。ささ、どんどん脱いで。
華枕になった少女たちの願いとは、一体どのようなものなのか。そして何よりも、願いを忘れたタンポポの過去は……?
ソメイヨシノアサガオ、シロツバキといった他の女の子たちのことも気になるし、ぜひ続きが読みたいですね。


イラストはCARNELIANさん。女の子たちの健康的な色気にやられました。
シロツバキちゃんのイラストをお願いしたい!


抱き枕がうっかり欲しくなってしまったけれど、やっぱりちょっとハードル高い。