まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

逆道の覇王戦記3

ストーリー
四大聖国の二つと協力関係を結んだ一行は、次に『創族』の国イルタインへ向かう。
合理的であることを好む創族は、あっさりとリョウマたちの要求を受け入れる。
時間のできたリョウマたちは、イルタインにいる旧友・ココの元を訪ねるのだが……。



最終巻。正直、本当はもう少し長く続く予定だったのかなあ、という印象ですが、一応旅の目的は達成して物語の幕を閉じました。
新キャラとして登場した創族の女の子・ココが、他のヒロインとは一風変わった感じでいい味出していましたね。
そして最後にリョウマが選んだのは……うーん、やっぱりそっちに行っちゃったか、と個人的には少し残念でしたけど、あの子にはこれからも諦めずに頑張ってもらいたいです。


旅を始めて3つ目の国・イルタインは、ちょっと拍子抜けなくらいあっさりと通過しちゃって、ついでにヒロインも追加。
何をするにも合理主義な創族の職人・ココは、リョウマに対して少しそっけない態度で新鮮でした。アイリスはともかく、ガーネットもライラもリョウマにべったりですからね……。
自分の身を投げうって他人を救おうとするリョウマに批判的なココ。彼女の言うことは、まあもっともなんですけど、理屈抜きでみんなを救ってしまうのが英雄というものです。
他ならぬ自分が助けられてしまって、その上天然の殺し文句まで投げられて、らしくなく照れてしまうココはなんとも可愛かったですね。


思わぬ展開で、最後に残った『神族』の国ファレーナへとたどり着いたリョウマたち。
そこで確かめられたのは、今回の旅の提案者であるアイリスの決意でした。ガーネットも、ライラも、そしてココも、それぞれ決断をしてここまでやってきたわけですから、最後にはやっぱりアイリスが決めてくれなくちゃいけませんよね。
旅の目的、仲間たちの安全、そして家族の愛情、色々なものを天秤にかけて、少々揺らいではしまったけれど、自分の信念のもとにはっきりと意思表示をしてみせた彼女は、強い女の子でした。
これで、当初の目的は無事達成……ですが、アイリスの本当の戦いはこれからです。念願の帝国復興のために、新たに得た仲間たちと共に、頑張ってもらいたいですね。彼女なら、いつかきっとできると信じています。
それからもちろん、リョウマを取り巻く恋愛方面も。一見決着がついたようでも、まだまだ先のことは分かりませんから。


喋るリベリオンも面白かったかも。