まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

りゅうおうのおしごと!

ストーリー
16歳にして将棋界のタイトル『竜王』を手にしてしまった若きプロ棋士・九頭龍八一。
ある日、八一の姿に憧れて将棋を始めた小学三年生の女の子・雛鶴あいが、弟子にしてほしいと彼の自宅へ押しかけてくる。
もちろん弟子など取るつもりのない八一だったが、ひとまず少女の実力を見てみることに……。



16歳で将棋界最高位「竜王」となった主人公が、小学3年生の女の子の熱意と才能に押され、彼女を内弟子に取る押しかけロリ×将棋コメディ。
発表当初から楽しみにしていたのですが、いやあ、期待に違わぬ面白さ! ちょっと不思議な将棋プロの世界を、とことんギャグとエンタメに落とし込んで笑わせてくれました。さすがは白鳥先生といったところ。
才能に満ち溢れた可愛い可愛い弟子(9歳幼女)との生活や、変態だらけの将棋棋士たちとの日々はなかなかにクレイジーですが、いざ対局になったら背すじも伸びる真剣勝負。笑いと情熱の二枚飛車に、もはや投了必至です。


史上4人目の中学生棋士としてデビューし、瞬く間に史上最年少タイトルホルダーとなり、現在棋界最高位「竜王」に君臨するのが主人公の八一。小学3年生の女の子が押しかけてくるだけはあって、なかなかにとんでもない経歴の持ち主です。
しかしそんな八一は、若くして頂点に立ったがゆえのスランプに陥っており、現在怒涛の連敗中。守りに入ってばかりの将棋を指しては負け、ネットで「クズ竜王」と叩かれているのを見てまた凹む、といったような日々を送っていました。
そしてそんな彼を救うことになるのが、石川県から大阪まで、単身で八一の弟子になるためにやってきた9歳の女の子・あい。
その驚きの行動力もさることながら、目を見張るのが彼女が秘めた将棋の才能ですね。とても将棋を始めたばかりとは思えぬ天才っぷりと、八一を「ししょー」「ししょー」と慕う天使のような愛らしさに、この子を優しく育ててあげたい、将来棋士になった姿を見たい、と思わされてしまう魅力の持ち主でした。
何よりも、竜王という地位に戸惑っていた八一を初心に返らせてくれた、「将棋が好きで、諦めたくない」というまっすぐな気持ち。師匠が弟子に教えられることもあるとはいいますが、9歳にして現役竜王を導くとは侮れない!
それにしても八一のこのデレデレっぷり、どう見てもロリコン以外の何物でもないですね。いや、16歳と9歳なら年の差的には大丈夫だ……大丈夫か……?


弟子に負かされて将棋会館の窓から粗相をかまそうとする八一の師匠、女流最強との声も高いドSクールビューティーな八一の姉弟子、マントを羽織り《白銀の聖騎士》を名乗る痛い感じの若手実力派にして八一のライバル。八一の周りに集まる棋士たちは、老いも若きも変人変態ばかり。これはひどい風評被害だ!
八一も含め、少々残念なキャラクターばかりですが、そんな彼らもいざ将棋盤を前にすれば表情が一変。
決して楽しいことばかりではない棋士生活だけれど、将棋が大好きで、将棋がなければ生きていけないというくらい愛しているからこそ戦っていける。そんな世界に、あいもこれから入っていくわけです。
もしかしたら挫折が待ち受けているのかもしれません。でもこれだけ純粋に将棋を愛する心を持ち、実は負けん気も強くて、ひたむきに頑張っていけるあいならきっと。師匠の八一と一緒に、どんどん先へ歩んでいってもらいたいですね。


イラストはしらびさん。なんといってもあいが可愛い! 笑顔が眩しい!
あとシャルロットちゃんも可愛い。ああ……ロリコンが加速していくのを感じる……!


『JS研』って控えめに言って天国でしょ。