まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

リーングラードの学び舎より2

リーングラードの学び舎より 2 (オーバーラップ文庫)

リーングラードの学び舎より 2 (オーバーラップ文庫)

ストーリー
前代未聞の「義務教育計画」を進めるリーングラード学園で判明した新たな問題『資金不足』。
外部との金銭取引に何者かの妨害工作が行われ、このままでは学園の経営も危ぶまれる事態に。
そこでヨシュアンは学園全体を巻き込んでの対策を思いつくのだが……。



国家最高の術式師のひとりである主人公が新米教師となって5人の少女を教え導く魔導教育ファンタジー第2弾。
うーむ、ヨシュアンは術式師としてはそれなりに魅力的ではあるものの、教師としては全然好きになれないですね!
子どもたちの成長よりもむしろ、ヨシュアンの教師としての成長の方が気がかりになってきました……。


教え子の中でも一番小さくか弱い少女・セロから「おしおきされたい」なんて不穏な言葉が飛び出す非常事態。まあ、この発言から不穏なものを読み取ってしまうのは我々が汚れた大人になってしまったからでしょうが……。
そもそもガンガン体罰を加えていくヨシュアンの教育スタイルがどうかとね。自分が教師としてどうなのかを見つめ直すいい機会になったかもしれません。
ヨシュアンは、戦闘術式師としては非常に有能です。でもやっぱり教師としては新米も新米なので、間違いも多い。
ピットラット先生をはじめ、頼りになる同僚からもっと多くを学んで、できるだけ早く教師として成長してもらいたいものです。


一方、ヨシュアンが考えた学園の経済危機対策はなかなか面白かったですね。
生徒たちにクエストを発令してクラスごとに競わせる。なんかワクワクしてくるじゃないですか。普段の授業から離れた課外活動はなんだって楽しいものです。
クリスティーナとマッフルは案の定の結果に終わりましたが、ヨシュアンによる(相手側が)体を張った模擬戦により、新たな気付きを得た様子。次こそは同じ失敗をせず、クラスに勝利をもたらすことができるのでしょうか。
今回は前後編の前編ということで盛り上がりも少なめでしたが、その分次巻に期待がかかります。特にクリスティーナの頑張りが楽しみなところ。


番外編の続きが本編以上に気になる。