まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

セブンスターズの印刻使い1

ストーリー
伝説の冒険者集団《七星旅団》の一員でありながら、魔力を制限する呪いを受けた魔術師アスタ=セイエル。
解呪手段を求め、正体を隠しながら魔術学園に入学したアスタだが、成績は学年で最下位だった。
しかしその正体を知る学年主席・レヴィによって、彼は再び戦いの表舞台へと引っぱり出されることに……。



魔力を制限されたかつての伝説の冒険者が、超一流の探索の手腕を活かして迷宮攻略に挑むダンジョン冒険ファンタジー。
面白かったです。魔術の出力では断然劣りながらも、精度の高すぎる「小技」で周囲の度肝を抜く主人公がカッコいいですね。
魔術学園の学年トップ4たるパーティメンバーたちも、それぞれ魅力的で良かったです。


7人で結成された最強の冒険者クラン《七星旅団》。主人公のアスタは、その6番目《紫煙の記述師》と呼ばれる伝説の魔術師。
しかし七星旅団は7人中5人が正体不明。アスタも例に漏れず正体を隠し、自身にかけられた呪いを解くために魔術学園へ入学しています。
魔力を呪いで制限されていることや、適性の問題もあり、実技では学年最下位を取ってしまうのだけれど、彼が唯一できる「印刻魔術」を用いた模擬戦では学年2位の天才・ウェリウスと互角。その才能の一端を見せてくれました。
成績上ではダメダメで、魔力がまともに使えなくても、学年上位4人で構成されたパーティを引っ張っていけるだけのアスタの経験と実力。自分は弱いと言いながら他のメンバーも驚く高度な魔術を使いこなすその技術力に、すっかり惚れ込んでしまいました。この主人公、カッコいいです。
二つ名の由来にもなっている煙草を使った戦い方がまたイカしてるんですよね! 口から吹いた煙でルーンを描いて魔術解放とか超クールじゃないですか。中二マインドをくすぐられました。


アスタ以外の4人の実力を見るための、試験としての迷宮探索。そのはずが、いつの間にか彼らは街の裏で渦巻く陰謀のまっただ中へ。
アスタはもちろんですが、彼以外の4人もそれぞれ優秀な生徒だけあって、なかなか見応えのある戦いっぷりを披露してくれました。
今回特に目立っていたのは学年4位のシャルですね。アスタとは浅からぬ因縁を持つミステリアス少女なのですが、無表情の奥に妖しい部分を隠し持っていて可愛いです。個人的には一番のお気に入り。
あとがきによればウェブ版からずいぶん出番が増えたのが彼女のようで、今後もどんどん活躍してもらいたいところです。
メインヒロインは、一応レヴィということになるのでしょうか。彼女はダントツの学年主席で、魔術の才能も圧倒的ということらしいのだけれど、今回はそれほど表立っていなかったので次巻以降に期待ですね。もちろん残りの2人、ウェリウスとピトスもね。
七星旅団の過去や、アスタが抱える秘密、そして旅団復活の兆しなど、謎がたくさん提示されているので、続きが大いに気になりますね。楽しみです。


イラストは四季童子さん。好き(直球)。半分くらいは表紙買いでした。
ビジュアル的にはピトスが可愛いと思います。


しかしこれ、異世界召喚じゃなきゃダメだったのかな……?