まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

僕は友達が少ない(11)

ストーリー
いきなりの告白に反射的に返答してしまった結果、幸村と付き合うことになってしまった小鷹。
幸村はけじめをつけて隣人部を退部し、小鷹は友達と恋人、両方とそれぞれの日々を過ごす。
だが小鷹は一方で、理科への想いも捨てきれずにいて……。



祝完結! 作者によれば「1冊まるごとエピローグ」という、隣人部最後の1年を描いた最終巻。
一番ないだろうと思っていたヒロインと恋人になったはいいものの、なんかすっげー釈然としないし胸が痛いぞ! でもそれがまたこの作品らしい。
恋愛以上に隣人部が楽しいという結論は、実にこいつららしくて良かったです。大団円といっていいでしょう。


運命的な再会をした幼なじみ・夜空。既に半分婚約者みたいになっていた許嫁・星奈。そして小鷹が愛した女の子・理科。
普通ならこの中の誰かとくっついて然るべきところですが、なんと勝者は幸村でした。
当然、なんでだよ! という気持ちが湧き上がりますが……「ぎゃるげーではないからです」という幸村のひと言で全てが説明されてしまいました。あ、はい、そうですよね……現実って意外とそんなもんですよね。
ということで初めての恋人ができた小鷹ですが、隣人部の人間とは付き合わないという彼の約束を守るため、幸村は隣人部から退部。
3年生に進級した小鷹は、友達との楽しい生活と、恋人とのドキドキの生活、ふたつの日々を送ることになったのでした。まるでリア充のようだ!(実際リア充です)


幸村には悪いけれど、明らかに隣人部と遊びに行ったときの方が楽しそうな小鷹。まったくひどい奴ですな。知ってましたけど。
そんな楽しい毎日の中でも、夜空からきちんと告白を受けて断ったり、理科にきちんと告白をして断られたりしてました。
特に夜空のフラれっぷりは爽快でしたね。あまりにバッサリと切られていてちょっと不憫でしたけど……。でも夜空はやっぱりこの立ち位置が似合うかなって思います。
そしてやってきたクリスマス。隣人部と幸村、どちらを選ぶかの岐路に立たされる小鷹。
結果は、まあ、こうなりました。結局ここに収まってしまうというのが、小鷹という他にはいない主人公の本質ですね。
ブコメとしては赤点かもしれません。でも間違いなく、いい青春でした。満足です。
唯一、星奈だけ恋愛の決着がついていないのが少々気になるところですけど、彼女は諦めていませんからね。きっといつか……と信じて見送ることにしましょう。
波乱だらけのシリーズでしたが、最後まで予想の裏をつきつつ、納得のエンディングを迎えてくれました。楽しかったです。ありがとう。


で、エピローグがこれかよ!