まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

魔剣の軍師と虹の兵団III

ストーリー
ダンテ将軍との決戦に勝利し、ついにトレントの地からロンバルディア勢力を駆逐したジュリオたち。
だがロンバルディアが弱体化したことにより、南の強国ホルムが教皇国の力を借りてカラーラ半島へと侵略を始める。
その野望の標的にトレントが含まれることを看破したジュリオは、幽閉されたロンバルディアの王子を擁立するため、彼の救出に乗り出すが……。



歪んだ性癖を持て余しまくりの変態英雄どもが織りなす残念ファンタジー戦記、相変わらずの第3弾。
いやほんと楽しい。しっかり戦記モノをやりつつも、シリアスに傾きかけたかと思ったら着実にギャグを入れて笑わせてくれるから、いつまでも読めちゃう。
今回はかつての敵であるクリスティーナや黒狼兵団と共闘する展開もあって、ストーリー的にも胸アツでした。


旧王都リーンからロンバルディア軍を追い出し、遂に領土を全て取り戻した新生トレント王国。
復活した祭りの中、裏切り者として人々から人形を焼かれ脳髄とけちゃいそうな超絶ドM・エスメラルダやら、念願の神格化を果たして脳髄とけちゃいそうなアホの子・ロスヴァイセやら、偉業を成し遂げても変態たちの変態っぷりは何も変わらず。
想像妊娠の女王ランといい、娘に恋しちゃった系ロリコン将軍のトリスタンといい、全くブレない一同にもはや安心感さえ覚えます。エスメラルダさんのもはや何でも気持ちよくなれちゃうドMっぷりほんと好き。
そんな彼らの次のミッションは、ロンバルディアを大国ホルムからの盾とするために、親トレント派である囚われの王子を現国王の代わりにロンバルディアに擁立すること。
女騎士クリスティーナの協力も得て、王子の救出作戦自体はすんなりと行ったのですが……ああ、また変態が増えた(悲哀)。


女体による圧迫フェチだろうがなんだろうが、王子様であることに違いはありません。彼を中心に据え、ロンバルディアを侵略するホルム軍と相対するジュリオたち。
クリスティーナと黒狼兵団は、敵としては非常に厄介な相手でしたが、いざ仲間になればとても頼りになる戦士たちです。
トレントロンバルディア。心情としては素直に共闘しづらい部分もありますが、より大きな脅威に対抗するため、力を合わせて敵軍を跳ね返す奮闘っぷりに胸が熱くなりました。
それから、戦いの中、ルーナとトリスタンの父娘間での秘密がひとつ取り除かれたのは重要な出来事でしたね。
ルーナがジュリオに恋をしていると勘違い(?)したトリスタンの行動はかなり意外でした。彼にもこういう愛の形があったのか。まあ、結局は元に戻ってしまったわけですが……こっちの方が彼らしいので良いとしましょう。悲しむのはクリスティーナくらいだ!
ロンバルディアとの戦いには完全に終止符が打たれましたが、また新たな火種が生まれてしまいました。
ホルム、ファウスタ姉さん、そしてフォルトゥーナとルーナの関係。懸念事項は山積みですが、次回も変態らしく、笑いと一緒に切り抜けてもらいたいですね。


クリスティーナの不憫値が加速度的に上がっていく……。