まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

災厄戦線のオーバーロード3

災厄戦線のオーバーロード (3) (富士見ファンタジア文庫)

災厄戦線のオーバーロード (3) (富士見ファンタジア文庫)

ストーリー
支配の能力を持つ『女王』に率いられたグラフの大軍勢は、日本各地で一斉に実体化して襲撃を始める。
銀の富山支部でも決死の防衛戦を繰り広げるが、被害は増えるばかり。
三次元の世界では銀も実力を出し切れずにいる中、琴音が『女王』に連れ去られたという情報が入り……。



3巻目にして最終巻。早くも終わってしまうのは残念ですが、この世界の理などなど、描くべきところはしっかり描いて、きちんとまとめてくれていたと思います。
富山支部を襲うグラフの『女王』に対して、最強の銀と弟子の琴音が、真の意味で共闘する展開は激アツ!
順調に愛を育みつつあった(笑)ふたりの無自覚なイチャイチャっぷりも素晴らしかったです。ゴチでした。


『女王』に率いられて数万を超えるグラフが来襲。セカンドハーフを超え、一気に三次元の世界に実体化してきました。
この一大危機に、富山支部イレイザーを全員投入して対応。現実世界での戦いのため銀の全力が出せないのがネックですが、その分水瀬たちの活躍が光りますね。
水瀬は1巻ではライバル役だったし、色々と残念なところの多い子ではあるけれど、他のイレイザー全員が態勢を整えるまでの時間稼ぎとして女王とタイマンを張ってみせるなど、なんだかんだで戦いの中ではカッコいいからずるい。
琴音が攫われて、銀がその立場から彼女を助けに行くのをためらっていたときに、彼にかけてみせた発破もよかったです。


いつの間にやら周囲から公認カップル扱いされていた銀と琴音。まったくニヤニヤさせてくれるぜ。
琴音がセカンドハーフの中へと連れ去られてしまったら、助けに行く王子様役は、もちろん銀しかおりません。
その救出劇の中で、より一層お互いへの信頼を高め合う両者。女王の軍勢を蹴散らすための会心の作戦は、銀と琴音、ふたりがいなくては成り立たないものでした。
あの琴音が、多少特殊な状況とはいえ、師匠の銀と肩を並べて戦う日が来たのだと思うと、なかなか感慨深いじゃないですか。
もちろん、水瀬や新奈や壱彦や雪子、籠目に織倉に基羽、そして『英雄』を始めとした他の支部イレイザーたちもそれぞれの場所で戦いました。特にみよりと、彼女が手にしたグラフィティの活躍には胸が踊りますね。
エピローグがまた良かった! まったくキュンキュンさせてくれるぜ。ふたりの未来に幸あれ。


でもやっぱりルンちゃんはないわ。