まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

OBSTACLEシリーズ 激突のヘクセンナハトI

ストーリー
かつて世界を滅ぼそうとした【黒の魔女】を、月に封印することに成功した人類。
十年に一度、封印された魔女を裁くためのヘクセンナハトの夜が近づく中、一人の少女が姿を現す。
各務と名乗った謎の力を持つ少女に対し、世界四位の魔女・堀之内はその絶大な力を使って迎撃するが……。



十年に一度の【黒の魔女】との対決を控え、人類代表の魔女を選ぶため戦う少女たちの近未来バトルアクションストーリー。
実は初・川上稔作品だったのですが、とにかく膨大な専門用語と、細やかなギミックの描写(ただし読んでも理解できない)に面食らいました。
あとがきによれば「ストレートな魔法少女もの」ということだけれど、全長500mの武器をぶん回して砲撃ドカドカやる魔法少女は、まあ、控えめに言って、あんまりストレートじゃないと思うのだ!


世界を滅ぼしかけた人類の敵【黒の魔女】。そして彼女との十年に一度の戦いの場「ヘクセンナハトの夜」。
ざっくりとそれくらいの説明があり、いきなり始まるメカニックでガチャガチャな魔女同士の対決。
ノーマルフレームだの使役体だの流体がどうこうだの、細かい設定は正直全然分からなくて、半分読み飛ばしても尚読みにくかったです。
しかしバトルシーンは良かった。ノーマルフレーム(変身)での戦闘が加熱するとマギノフレーム(必殺技モード)へ移行して、超巨大武器で超高速移動しつつ超砲撃をぶちかます。
なんというか、設定はめちゃくちゃ細かいのに見た目は凄く大ざっぱ! 500mてアンタ。力技で迫力を出してくるこの感じ、好きですね。


使役体なしでノーマルフレーム展開する謎のクラフト能力を持つ主人公・各務。攻撃力特化の世界四位の巫女・堀之内。アメリカの国力をフルに使って超移動を成し遂げる世界三位・ハンター。
メインの登場人物はほぼこの3人だけで、1巻の大部分がこの3人の戦闘で費やされているのだから恐れ入る。
それぞれの理由から上を目指し、黒の魔女を打ち倒そうとする堀之内とハンターに対して、全世界の魔女とは全く別の意味で黒の魔女を狙う各務の飄々とした態度が印象的でした。端的に言って格好良い。
戦いを経て仲良くなる。確かにこの辺は魔法少女ものの定番展開かもしれませんが、やっぱりいいものですね。
特に各務と堀之内は、デコボコながらいいコンビでした。もっともっと仲良くなっちゃってもいいんですよ(意味深)。
次の相手は二位と一位でしょうか。堀之内と力を合わせて、各務がどこまで行けるのか見ものです。


イラストはさとやす(TENKY)さん。川上作品といえば! なイラストレーターさんですね。
躍動感に満ちたバトルシーンのイラストが素晴らしかったです。


で、朱雀ちゃんは本当にトリなの。