まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

横浜ダンジョン 大魔術師の記憶

ストーリー
世界各地にダンジョンが出現した世界。
前世で白き賢者と呼ばれた少年・黒鉄響は、無詠唱で魔法を唱える力を持ちながらも、それを隠して日々を過ごしていた。
だがある日、ダンジョン探索者のクラスメイト・真藤春菜を魔物から救ったことで、戦い方を教えてほしいと言われてしまい……。



前世での賢者の記憶を持つ少年が、クラスメイトの探索者の少女を鍛えながら横浜の大ダンジョンの謎に迫る現代ダンジョン攻略ストーリー。
面白かったです! 瀬尾つかさ先生の作品は初めて読むのですが、やたら読みやすくて一息に読めてしまいました。
元賢者の主人公の魔法での無双っぷりと、早くもハーレムルートまっしぐらなヒロインたちとのやりとりが楽しい1冊でした。


事故に遭ったことがきっかけで前世の記憶に目覚め、世界最高レベルの魔法の力を得てしまった主人公・響。
とある理由からそれを隠し続けてきた響ですが、ある日遂にクラスメイトにしてダンジョン探索者の少女・春菜に力がバレてしまい。成長に伸び悩む彼女から教えを請われることに。
とりあえずの生徒は春菜と彼女のタッグメンバーの彩の2人……なんですが、彼女たちを通して知る響の破格の強さが凄い。
ダンジョンが出現して20年、魔法の研究もまだ十分に進んでいない世界で、周囲の人々とは根本的に違うやり方で魔法を行使するもんだから、そりゃ圧倒的にもなるわなと。
1人で平然とダンジョンに無断潜入して、80階まで1日かけずに到達したり、春菜と彩のために超貴重な魔法剣を制作したりと、やりたい放題やっちゃってました。これだけ最強っぷりを見せつけてくれると気持ちいいものです。


一方、春菜と彩の成長っぷりももちろん見逃せないところ。この上ない魔法の師に恵まれて、ぐんぐん力をつけていくふたりの姿が輝いてました。姉と妹のためにストイックに戦う春菜も素敵ですが、ドラゴンの肉を食べたいという思いだけで頑張る彩のおトボケっぷりが好きですね!
ふたりはとてもいいコンビで、響も交えたどこかふわふわしたやりとりが楽しかったです。
それから、モンスターに襲われた影響で入院中の春菜の妹・冬音! 響の前世にとって非常に重要な意味を持つ少女なのですが、中学生なのにナチュラルに放ってくる下ネタがなんとも小悪魔的で、たまりませんでした。ヒロインの妹ってなんでこうも可愛く見えちゃうんですかね。
まだ1巻ですが、明らかに女の子がみんな響に興味津々で、早速ハーレムルートへ一直線な感じ。前世からの約束の人がいるというのに、なんとまあ贅沢なことを!
ダンジョンの謎や、過去の真実など、気になることは色々ありますが、まずは恋愛方面に期待しつつ、次巻を待ちたいですね。


イラストはやむ茶さん。可愛い絵柄でありながら表情も豊かで見応えのあるイラストでした。
彩のデフォルメ顔が好きです。


将(姉)を射んとせば先ず馬(妹)を射よ、かな……。