まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

教導覇帝の完戦常勝譚

ストーリー
望む知識を引き出せる異能『万書の力』を持ち、その力で世界を席巻した英雄・アルクス。
彼はある日、滅亡の危機に瀕する祖国『地の国』へと単身舞い戻る。
その小国を統べるのは、「地の国の三駄姫」と呼ばれているアルクスの幼なじみたちで……。



幼い頃に他国へ連れて行かれ、英雄となって帰ってきた主人公が、幼なじみのダメ姫様たちを導いて祖国復興を目指す戦記ファンタジー。
とにかく三駄姫がわりと本気でダメダメでびっくりです。ヒロインなのにイラッとくるレベルでひどい!
そんな姫たちを、最強英雄の主人公が教導していくわけですが……これはなかなかに教えがいがありそうだ。


脳筋、ドケチ、引きこもり。3人それぞれ残念すぎる特徴を持った「三駄姫」たち。
三女のピニャは引きこもっていたので、地の国を動かしていたのは長女で武官のレーナと次女で文官のラシーヌの2人ということになるのですが。
この2人がとにかくひどい! お山の大将みたいなノリで、軍を軍として扱うことができていない将軍のレーナ。生来のケチ臭さのせいで商人から値切りまくった挙句に嫌われてしまった取引役のラシーヌ
何よりもひどいのが、アルクスからそれを指摘されても全く改善しようとせずに逆に開き直っちゃうところ!
彼女たちも自分なりに国のためを思ってやっているのは確かなんですが、自分のダメなところを認めて直すことができなければ、いつまでも変わらぬまま。正直ちょっとムカついてしまいました。
一方、三女のピニャは、引きこもってこそいるもののその才能はかなりのもの。偉そうな口調のわりにアルクスにすぐに懐いてくるところなんかは文句なしに可愛くて、なんていうか、やっぱりロリ姫って最高だな。


痛い目を見て、やっと反省して。やる気を出した長女と次女へアルクスが提案した秘密の特訓方法は……なんでやねん。
こんなことで本当に彼女たちに足りないものが身につくのか、ぶっちゃけ疑問しか湧かないんですけど……まあ、結果オーライということで。上手くいくにしたって、あの惨状から一気に成長しすぎなんじゃないかとは思いますが。
ともあれ一歩前に進んだ姫たちですけど、目の前に迫るのは地の国を飲み込もうとする大軍勢。
砦攻めの秘密兵器と外交努力、そしてやっぱり英雄の力をフルに使いつつ、窮地を切り抜けていく展開にはワクワクしました。
それにしても攻めてきた皇国の姫様、こちらの姫たちよりもずっとヒロインっぽく見えてしまいますね。まあ性格は思いっきり悪いけどね。
ともあれ戦いは一段落。今後地の国がどのように羽ばたいていくのか楽しみなところです。ピニャの活躍に期待しています。


イラストは荻poteさん。うん、やっぱりピニャが可愛いな!
表紙に雲海がいることに今気づきました。全身が見たいですね。


メイドお姉ちゃん有能。