まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール2

ストーリー
昨シーズンの活躍で上臈に昇格した香燻、蒔羅、蜜芍の3人。
しかし上臈リーグの選手層の厚さに跳ね返され出番がない。
しかも所属する浄鏡殿は連戦連敗のお荷物殿舎で……。



まさか続きが出てくれるとは! ありがとう、野球の神様、ありがとう、ダッシュエックス文庫……!
下臈から上臈へ、華麗なる出世を果たした香燻たちだけれど、さすがに上手い選手が集まっていてなかなか目が出ず。
そんな中、彗星のように現れた新監督(違う)による新体制と独特の特訓で、万年最下位チームが下克上を果たしていく展開に燃えました。


皇帝の一のお気に入り・香の君に真正面から喧嘩を売り、下臈の身で皇帝の指名を受け、あっという間に更衣にまで上り詰めてみせた新・鏡の君。
エネルギッシュで型破りな彼女の指導のもと、負け癖のついた浄鏡殿はレギュラーを一新、香燻たち3人も上臈チームレギュラーへ大抜擢されます。
香燻たちを散々嘲った挙句、浄鏡殿に見切りをつけてトレードで出て行った選手が所属するチームを相手に、試合で一矢報いていくのが実に痛快でした。
1番・蒔羅、2番・香燻、3番・蜜芍という打順がまたいいですね。3人一緒にやってきた甲斐があるというもので、なんだか感慨深いです。
強力なアベレージヒッターへ進化を遂げた蒔羅と、実は持っていた選球眼の才能でしぶとく粘れるようになった蜜芍に挟まれて、地味なバントやヒッティングで繋いでいく香燻の姿が実に彼らしいというかなんというか。


野球は熱く、そして日常はエロく。遂に夜の技のレッスンまでおっ始めた蒔羅と蜜芍や、香燻と一線を越えかけた香の君を筆頭に、今回も色気たっぷりの後宮の日々が描かれました。
中でもやっぱり、蜜芍の健康的なエロスが目を引きますね。男性嫌いの彼女が、香燻の前で見せるその無防備さはとても魅力的だと思います。香燻が男だと知ったらどうなっちゃうんでしょうか……。
そんな蜜芍も遂に皇帝に目を付けられたようで、意外とまんざらでもなさそうにする彼女を見て嫉妬に胸を焦がす香燻が、少年らしくてよかったです。
蜜芍が皇帝に抱かれるのは我慢がならないけれど、当然その気持ちをおおっぴらにすることはできず、悶々と皇帝への憎しみを募らせていく香燻。
イムリミットは蜜芍が18歳になるまでの1年間。今は蜜芍に水を開けられていて、香燻が先に皇帝に指名されるようなことはなさそうですが……。蜜芍の身を守るために彼女を追い越して、彼女よりも先に指名を勝ち取って、皇帝への復讐を果たすことができるのかどうか。がんばれ男の子。
香燻同じく復讐を狙う光の君の動向や、後宮の外での思わぬ動きなど、他にも気になることがたくさんですね。次巻が楽しみでなりません。


野球ネタは飛ぶボールと飛ばないボールくらいしか分からなかった。