まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

迷宮都市のアンティークショップ

迷宮都市のアンティークショップ (ファミ通文庫)

迷宮都市のアンティークショップ (ファミ通文庫)

ストーリー
師匠から受け継いだ付与道具を使いこなせず、ダンジョン攻略に行き詰まってしまった駆け出し探索者ソアラ
ある日、妙に気さくな全身甲冑さんと出会ったソアラは、彼女の勤めるアンティークショップを訪れる。
類まれな『鑑定』の技術を持つという店長・フジワラに、ソアラは付与道具の鑑定を申し込んで……。



ぎん太さんのイラストに惹かれて手に取りました。ダンジョン探索者たちが冒険で手に入れた付与道具(マジックアイテム)を鑑定しに訪れるアンティークショップのお話。
よかったです。ひとつのアイテムを題材にしてひとつの短編、という連作短編形式になっていて、さっくりしていて読みやすいですね。
表紙を見て、てっきり右の子がヒロインだと思っていたんですが、まさか甲冑の方だとは……。


「微熱を帯びたショートソード」「聖印の施された籠手」「酒臭い携帯用の水筒」エトセトラ、エトセトラ。
各話タイトルになっているマジックアイテムの名前を見ているだけで、どんな道具なんだろう、となんだかワクワクしてきちゃいます。
1話あたり数十ページの短いお話の中に、そのアイテムを持ち込んだ探索者の願いだとか生きざまだとかが少しずつ描かれていて、胸が温かくなりますね。
好きだったのは「小さな髪留め」の回でしょうか。この小さなふたりのやりとりがとても微笑ましくて、もっともっとこのコンビの冒険を見たくなりました。


「不気味な首飾り」「もふもふとした毛並みのキーホルダー」の回では、全身甲冑さんことアネモネと、優男な店主・フジワラの出会いが描かれました。
甲冑を脱いだアネモネが可愛いです! もちろんイラスト込みで! というかイラストは下着姿だからエロい……!
無愛想なんだけれど食欲には負けちゃうところとか、もふもふ好きなところとか、このギャップはずるい。
凄腕探索者だったアネモネが、なぜフジワラの店で働くことになったのか。また、あれだけ頑なに正体を隠していたのになぜ甲冑を脱ぐようになったのか。そもそもどうして探索者をやっていたのか……。
彼女についてはまだ語られていないエピソードもいっぱいありそうですし、今後のお話で明かされていくことに期待です。
未だ登場していないフジワラの師匠のことも気になりますね。次巻ではどこまで描かれるのでしょうか。楽しみ。


イラストはぎん太さん。思わずイラストレーター買いしちゃうくらいに最近一押しなのです!
なんといってもアネモネが可愛いんですけど、リンネもいい! ぎん太さんのそばかすキャラは鉄板すぎる。


全身甲冑にフリルエプロン、アリっちゃアリに思えてきた(錯覚)。