まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

東京戦厄高校第72討伐班

ストーリー
人を捕食する正体不明の化け物“災厄”と戦うために選ばれた子供達が通う「東京戦厄高校」。
無事試験に合格し入学を果たした成家廻人は、最強の<ディザスター・シューター>を目指していた。
ところが彼が適合した戦闘タイプは、最弱でお荷物とさげすまれる「迅引」で……。



“災厄”を打ち倒すための教育が行われる学園で一見バランス最悪のチームを組んだ3人が、努力と工夫と秘めた才能で周囲を圧倒していく学園バトルアクション!
ただ速いだけで役に立たない戦闘タイプ……そう思われていた主人公が、自分の力を引き出してくれる2人の仲間とチームを組んで真価を発揮していく展開が熱かったです。
やっぱり速さはロマンですよ。なんてったってかっこいいもの!


主人公・廻人の「迅引」(ソニック)は、素早く動けるというだけで、災厄との戦闘においてはお荷物と言われている戦闘タイプ。
そんな彼とチームを組むのが、力量はピカイチなものの仲間の能力向上に特化した「調善」(フォロワー)タイプを持つ月佳と、武装を修復する「復慈」(キュア)タイプのアリス。
役立たずの「迅引」に、補助役と回復役しかいないという、一見まるでバランスが取れていないチームで、廻人を筆頭に周囲からバカにされまくり。
非常にムカッとくる展開ですが、当の廻人は実にあっけらかんとしています。強くなることにひたすらまっしぐらで、見ていて気持ちのいい主人公ですね。
少なくともひとりでは戦うことのできない廻人。でもこのチームを組んで、それぞれが努力を積んだことで、奇跡的な戦いぶりを見せてくれます。
バカにされている者が周囲の鼻を明かすのは、実に気味がいいものです。やれやれ、君らは何を見ていたのかな?(ふふん)


月佳とアリスは、それぞれ弱い部分を抱えた女の子です。廻人と同じように、もしかしたら他のチームではやっていけなかったかもしれません。
でも、繰り返す特訓の日々の中で生まれた絆は、彼女たちの弱さもひっくるめてみんなを繋いでくれました。チームっていいなあ。
この3人なら、きっとどこまでも行ってくれる気がする! そんな期待まで持ててしまいます。
懸念があるとすれば、今の戦い方があまりにギリギリすぎること……。どこかで誰かが大きな失敗をしてしまいそうで、怖いですね……。
それから、最初から男1人に女2人という「さあドロドロしてくれ」と言わんばかりのトライアングルが構築されてしまっているのも気になります! いや、こっちはむしろ楽しみですが! ニヤニヤ展開も待ってますよ!


イラストはおりょうさん。キャラデザではアリスが好きです。可愛い。
それぞれの武装もなかなかに格好良いので、バトルシーンのイラストに期待してます。


最強は生徒会長と見せかけて、実は乃愛さんなんでしょ? 違うの?