まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

僕とドSと腐女子と脳筋

ストーリー
ゆとり教育のため導入された、点数によって学校行事の充実度が変わるスコア制度。
数年ぶりに帰国した胡太郎が転入したのは、周辺校とのバトルでスコアが減りすぎ、修学旅行がマグロ漁船労働になりそうな超弱小高校だった。
せめて“普通の高校生活”を送るために、彼は再会した幼馴染3人と共に下克上を決意するのだが……。



ド変人な幼なじみ3人と力を合わせ、弱小高校を率いてライバル校とガチバトルを繰り広げるエネルギッシュな青春×学園×下克上コメディ。
うおおおお熱いぜ! 周りの高校からずっと虐げられてきた弱小校の生徒たちが、待遇の改善のために一大奮起! 再会を果たした幼なじみ4人が弱気な高校を勝利へと導く!
体力でも財力でも敵わないけれど、知恵と工夫と情熱、そして数人の圧倒的な才能で、力量差をひっくり返していくドラマに胸が震えました。


ドSな策謀家にして生徒会長の奏。超高校級投手ながら脳筋おバカの哲也。モノ作りの天才であると同時に絶望的な腐女子脳の持ち主の那由。主人公の胡太郎が再会したのは、そんな全力でアホな幼なじみたちでした。
この4人の幼なじみの関係が本当に良かった! 小さい頃にご近所で暴れまくっていた頃とちっとも変わらない、気のおけないやりとり。全員揃っただけで何かとんでもないことをやらかしそうな活力と勢い。
ボケもツッコミもいじられ役も次々に入れ替わっていく、なんの気なしの和気あいあいとしたお喋りを見ているだけで楽しかったです。ちなみに那由が好きです。レッツバンジー!


スコア制度及び争奪戦制度によって他校からスコアを奪われまくり、貴重な青春の1ページを棒に振るのが恒例になってしまった桜南高校の生徒たち。
周辺の高校は金にアートにスポーツにと、何かしらに秀でた学校ばかり。負け続けて卑屈になって、勝つことさえ諦めてしまっている、弱小校の運命……。
しかしこの幼なじみたちは圧倒的でした。それぞれが凄い才能を持っているだけではなく、皆を率いて戦うカリスマも備えています!
奏の演説で奮起した桜南校生たちが、上から目線で余裕綽々で嫌味タップリな体力バカ高校に目に物見せる。ずっと侮られてムシャクシャさせられていただけに、思い切りスカッとしました。これぞ下克上の醍醐味というものですね!
もちろん、これだけの勝利で彼らが満足するわけもなく。桜南高校を虐げてきた地域のライバル校はまだ残っています。次はどんな策で下克上を成し遂げてくれるのか、楽しみで仕方ありません。


イラストはSyrohさん。表紙イラストがいいですね。見下ろしアングルが好きなんです。
ギャグタッチのイラストも面白かったので、こういうのもちょいちょい挟んでくれると嬉しいな。


奏と那由はいいとして、なぜ哲也まで胡太郎を狙っている勢いなの。