まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか7

ストーリー
リリ、ヴェルフ、命を新たに眷属として迎え、始動した新生【ヘスティア・ファミリア】。
ある日密かに出かけていった命を追ってベル達が迷い込んだのは【イシュタル・ファミリア】が管理するオラリオの歓楽街だった。
そこでベルは、囚われの身である極東の少女、春姫と出会うのだが……。



歓楽街の元締めに囚われたひとりの娼婦を救い出そうと、ベル君と命が(またしても)無茶をやらかすお話。
今までの話と比べてだいぶ異質なストーリーだったのと、何より480ページという分厚さのおかげで結構読むのが大変だったのですが、終盤の盛り上がりはさすがのひと言でため息もんでした。
惚れた男のために遂に動き出した都市最強派閥のトップ・フレイヤ様がかっこよすぎて震える。


新メンバーが加入し、本拠地もお引っ越しして、いよいよ本格的に動き出した感のあるヘスティア・ファミリア。ここまで来るのにずいぶんかかったな……なんて思ってたら、作中時間ではたった3ヶ月くらいの出来事だったようで。ベル君の冒険者人生ちょっと濃密すぎるだろ。
リリやヴェルフはいいとして、やっぱりまだ少し浮いてるのが一番新しい仲間の命(ミコト)ということで、ここで彼女が大活躍するストーリーを持ってきたのは計算でしょうか。
娼婦とそれに群がる男どもでいっぱいの歓楽街は、うぶなベル君には全く似合わない裏世界。でもそんな舞台でも、英雄を心の奥底で求めているひとりの少女を見事に見つけ出してしまうのだから、ベル君の天然ジゴロっぷりは場所を選ばないようで!
仲間たちのことと、目の前で悲しい顔をしている女の子のこと、両方を天秤にかけてベル君が出した答えは、まさに「主人公」のもの。計算度外視もいいとこだし、無茶苦茶な決断なんだけれど、こういうところがベル君のベル君たるところ、ですな。
そんなベル君に付いて、同格以上の相手ばかりの敵本拠地へ、友人を救うべく乗り込んでいく命の姿もまた格好良かったです。格上との奮闘はこのシリーズで何度も描かれてきましたが、何度でも胸が熱くなります。


今回の敵は美の神・イシュタルの配下たちですが、とにかくフリュネが恐い。本能的な恐怖を感じる。アイシャをはじめ、他はいいのに、なんでトップがこれなのか……。
ベル君も命も奮闘したけれど、さすがに一大派閥を相手に無理が過ぎたか……というところで、遂にあのお方が!
イシュタルとフレイヤ、ふたりの美の神は過去にも色々と因縁があったようですが、ベル君の危機に際して今まで決して表に出てこなかったフレイヤがようやく立ち上がったわけで、読んでいて超テンションが上がりました。
最強を従えて街を往くフレイヤ様がまた格好良いんだ! この圧倒的な女王っぷりよ。思わず『魅了』されちゃいそうでした。まあラスボス臭ハンパないですが。
そんな最強ファミリアには及ばないものの、ヘスティア・ファミリアにもまたも新メンバーが入りましたね。今後がますます楽しみになってきました。
あと今回はアイズ様の出番が全くなくてしょんぼりだったので、次巻あたりぜひアイズ様を! 期待してます。


そろそろダンジョンに潜ってくれてもいいんだよ。