まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

モブ恋 -3rd-

ストーリー
ギャルゲ時空を司る秋兎が選んだのは、ちえりではなく桜子先輩だった。
モブ子の恋は無慈悲にも終わり、春馬の恋は逆にチャンスを迎えることに。
しかし春馬は、モブ子が自分を応援してくれるのを素直に喜ぶことができずにいて……。



「主人公の親友」な少年と、「モブキャラ」なヒロインが織り成すモブのためのラブコメディ、最終巻。
あああああ終わってしまった……終わってしまったよ……。とても面白かったけれど、なんで3巻で終わってしまったんだ……。もっと長く読みたかった。
この1冊で一気に完結まで持っていったので、最初からいきなり胸にグサグサ刺さりまくってくる展開が続いてめちゃくちゃ辛かったんですが、最後にはちゃんと、モブ達のストーリーがエンディングを迎えてくれてよかったです。


春馬とモブ子のことを振り回し続けた「主人公」秋兎は、ちえりではなく桜子先輩を選んであっさりフェードアウト。
悲しむモブ子の姿に春馬が胸を痛める一方、春馬のためにちえりとの仲を取り持とうとするモブ子。
お互いの恋の協力関係にあったのだから、モブ子の行動は当然のこと……ではあるものの。あーもうそうじゃないだろ! なんで分かんないかな!
同じく傷心のちえりも含め、何かが致命的にすれ違ったまま進んでいく恋愛模様は、見ていて胸が苦しくなってきます。


今まではあくまでモブ子がメインのストーリーでしたが、振り返ってみると今回は春馬のためのストーリーでした。
過去に置いてきた母親と再会し、大好きなちえりともギスギスしてしまい、荒れる春馬。そして姿を消したモブ子。
こういうとき、春馬が本当に会いたいのは、やっぱり……。
誰しもが予想していた結末だとは思いますが、やっぱり彼の隣には彼女が似合う。収まるべきところに収まってくれて心からほっとしました。
今回は180ページ程度しかなくて、序盤とか結構端折り気味で、本当はあと1〜2冊あったんじゃないかなと邪推しちゃいましたが、読んだ後の満足感は十分でしたね。大好きなシリーズになりました。ありがとう。
最後のイラストに幸せが溢れていて、こちらまで笑顔になっちゃいますね。ふたりの未来に乾杯。


いちばんおいしい立ち位置だったのはマリちゃんかも。