まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

妹さえいればいい。

妹さえいればいい。 (ガガガ文庫)

妹さえいればいい。 (ガガガ文庫)

ストーリー
羽鳥伊月は妹バカの大学生ライトノベル小説家である。
彼の家にいつも集まる、作家を始めとした業界仲間や友人、義理の弟といった個性豊かな面々。
伊月は新作の原稿に悩みつつも、友人たちと遊んだり旅行に行ったり、賑やかな日々を送るのだった……。



平坂読×カントクのコンビがガガガ文庫で新作を出す! はい読むー。これは読むしかないやつー。
いやはや、超面白かったです。平坂先生が全力で遊んだらこうなる! っていう感じ!
作中でキャラクターがいきなりTRPGを始めちゃうとかもうほんとフリーダムすぎて、ひたすらに楽しかったです。


別レーベルでの前作と同じく、短いエピソードをたくさん詰め込んで1冊に仕上げた構成。
どのお話も切れ味抜群でした。ギャグとか会話のテンポはもちろんなんだけど、ところどころに散りばめられたネタが色々とギリギリで、なんていうかロックだぜ……。
何より登場人物がみんな魅力的でよかったですね。多分にイラストの力もあると思うのですが!
ひとりひとりのキャラが立っているからこそ、会話が自然に楽しくなって、ウミガメのスープTRPGを登場人物同士でやるなんていうお話にも面白みが出てくるのではないかと思います。


出だしでいきなりトチ狂った妹小説の片鱗を垣間見せてくれた主人公・伊月。この男アホである。まごうことなきアホである。
でも、アホながらにどこか常人とは違った感性のようなものが光っている……気がしなくもない……あたり、やはり天才なのかもしれない。アホだけど。
そんな伊月になぜかベタ惚れしている真の天才作家にして真の変態美少女・可児。
ザ・残念ヒロイン! 好きです(直球)。伊月と可児のやりとりだけでもう楽しいからずるい。あとちょっと興奮しちゃう。
もうひとりのヒロイン・京も入れての三角関係に、今後は期待が高まりますね。
イケメン小説家の春斗や、大きな秘密を抱えた義弟の千尋も含め、次はこのメンバーでどんな遊びを見せてくれるのか、楽しみで仕方ありません。とりあえずはめっちゃ途中で終わったTRPGの続きが早く見たいですね!


イラストはカントクさん。もう、なんていうの、語る言葉が見つからないっていうかさ……。
本文を読む前に口絵でヒロインを好きになっちゃうとかさ、それってラブコメにとって最強のチート武器じゃないかと思うんです。裸最高です。ありがとうございます。


しかし薄々疑ってはいたけど……またかよ!