まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

オレのラブコメヒロインは、パンツがはけない。

ストーリー
女子嫌いとして学校一有名な高校生・及川弥代。
彼はある日、クラスメイトの美少女・星宮奈々が校内でノーパンでいるところを目撃してしまう。
奈々はパンツを穿くとなぜか5分で弾け飛んでしまうという特異体質の持ち主で……。



第27回ファンタジア大賞<銀賞>受賞作品。
学校で一番の美少女がノーパン体質だった! という実に頭の悪いテーマだけでご飯3杯はいけちゃいます、ごちそうさまでした!
いかにしてヒロインをノーパンにするか、というためだけに無駄に設定に凝っていてなんか変な笑いが出ました。
そんなアホなノリのわりに後半は意外とシリアス色強めでしたね。主人公にはだいぶイライラさせられましたが、ドラマの作りとしてはかなりストレートで良かったです。


まずこの書き出しに花丸をあげたい。パンツもいいけどたまにはこういうのもね、そうだね、変態だね!
自分の無意識な願望を歪んだ形で叶えてくれる「屈折のデザイア」という都市伝説により、なぜかパンツが穿けなくなったヒロイン・奈々。
ノーパン状態を見られたのにこんなに好意的に接してくる女の子とか奇跡だろ……なんなんだよ……。
奈々の屈折のデザイアを解消するため、すなわち奈々の無意識な願望の内容を考察するために、弥代は彼女に協力することになるわけですが、もうそんな理屈なんてどうでもいいです。
学校中の憧れの美少女と、ふたりっきりで、体育倉庫で、どうやったらその子の穿いてるパンツが弾け飛ぶのか観察するって、まるっきりその辺のおバカな男子中学生の頭ん中みたいなシチュエーションで、なんというか最高ですわ。
弥代にノーパンを見られてはいちいち恥ずかしがる奈々が可愛すぎる。年頃の女の子なのにちょっと無防備すぎませんか!


一方弥代は、とある過去の事情から女子に対して過剰な敵対心を持った主人公です。
彼の「これだから女は」という論は、まあほとんどが完全な偏見と屁理屈なんですけども、妙に現実味のある経験談が混じっていて笑ってしまいました。いや、ほんと、あるある……。
幼なじみの理央と茜の他はほとんど誰も寄せ付けずにいた彼ですが、弥代と関わる中でその信念が揺らぎはじめます。その結果があの事態。ううん、同情しなくはないけれど、やっぱり弥代の逆ギレにしか見えなくって、さすがにムカつきました。
でも、一度大きな衝撃を受けてこそ殻は破れるというもの。奈々との出会いは、彼にとってもひとつのターニングポイントになりましたね。
今後の展開ですが、とりあえずは弥代と奈々のラブ方面がどう進んでゆくのかに期待です。今のところお邪魔キャラにしか見えない茜がどう絡んでくるのかにも注目。でも最強の刺客は間違いなく理央(男の娘)。


イラストは三輪フタバさん。はいてない! でもはいてないから見えない! つらい!
このスク水は結構ギリギリなのでは?


弥代はいいとして、理央の方はわりとガチなんじゃ……。