まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

とある飛空士への誓約7

ストーリー
ウラノスで新女王ニナ・ヴィエントが戴冠してから半年。
ウラノスの傀儡国家であるハルモンディア皇国は、セントヴォルト帝国の誇る絶対防衛線ククアナ・ラインに攻撃を開始する。
一方「空の王」アクメドに囚われた清顕とイリアは、世界最強の戦闘機集団「ワルキューレ」でその腕を振るっていた……。



第三部にしてシリーズ最終章「プレアデスの奇蹟」編が開幕。
はあああああ、もう、凄まじく面白かった! 世界中にバラバラになった7人の仲間たちがようやく再び繋がり始める、最高にアガる展開。
特に世界最強の部隊で共に戦うことになった清顕とイリアの姿にはグッとくるものがありました。このふたりには色々なことがあっただけに、本当に胸が熱くなります。


表紙に抜擢されたのはミオさん。ウラノスの中枢で、ニナ女王(!)の側近として懸命に日々を過ごす彼女……ですが。
ああ、ミオはまたしてもこんな目に……。まったく、作者はどこまでミオをいじめれば気が済むのだ! 敵地の真ん中でも人間らしさを失うことなく、ニナはもちろんライナやイグナシオにまでその優しさを振りまいている、こんな素敵なヒロインに対して、なぜ……!
しかし、そんな事件を乗り越えてミオが得たものは、彼女が予想もしていなかった、とても大きなものでした。
エリザベート王女の演説、素晴らしかったです。もうね、「やった! やってくれた!」って叫んじゃいましたよね。ミオがウラノスへ飛んで以降、ずっと途切れていた七人の絆が、またここで!
それから、ミオとニナ改めクレアの間に生まれた友情。正直「やっとか」という思いでいっぱいですが、とりあえずカルエルと清顕についてのガールズトークが楽しすぎてニヤけました。ちょっとクレア可愛すぎませんか。シリーズ越しに萌えさせるのやめてくれないかな!


「空の王」アクメド率いる「ワルキューレ」で、また一緒に飛べるようになった清顕とイリア。
前回、相手を誰より大切に思いながらも、文字通りの死闘を繰り広げたふたり。そんなふたりにとって、再び翼を並べて戦うことができるというのは、どれだけ嬉しいことでしょうか。しかも、そのふたりの上にいるのはエリザベート王女なのですから!
国のために飛ぶのではなく、守りたい人のために飛ぶ。ここにきて、清顕はようやく自分のいるべき場所を見つけられたように思います。
そして終盤の一大決戦。機体性能で劣りながら、技量で敵を上回り、果敢に戦うワルキューレの騎士たち。
悲しみもありました。しかしその中で、清顕に受け継がれたものがあります。それが今後どう花開くのか、今から大いに期待しています。
それにしてもこのラストの! 見開きイラスト! 遂に! うわああああ続きを早く!!!!!


バルタザールさんも間違いなく大活躍しているのだが、どうしてもツンデレばかりが目についてしまって、なんかごめん。