まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

始まらない終末戦争と終わってる私らの青春活劇

ストーリー
「友ゼロ」と妹の鞠弥に指摘される有田雁弥は、駅のホームで厨二病全開の痛々しい先輩・新田菊華と出会う。
彼女は自分の人格を《換装式人格》と称し、会うたびに口調を入れ替えて話しかけてくるのだった。
どういうわけか菊華から気に入られてしまった雁弥は、彼女が部長を務める旧演劇部の手伝いをやらされることになり……。



有名シナリオライターが初めてライトノベルを書く! ということで各所にて話題になっていたらしい新作ラブコメディ(?)。
私はそちらの方面には疎いので、特に先入観なしに読んだのですが……超・読みにくかったです! クセ強すぎだろ!
いかんせんストーリーがほとんど進んでいないので続きが出ないとなんとも言えない感じなのですが、会話の掛け合いは結構楽しいし、ヒロインも可愛かったです。


地の文は主人公の一人称で進むのですが、上でも書いたようになんとも読みにくくって大変でした。会話も、キャラクターの口調がかなり独特で、慣れるまでに相当かかったような気がします。
でも慣れてしまうとだんだん会話ギャグそのものを楽しめるようになって、部分で見ればクスっと笑えるようなところもあって良かったです。特に妹ちゃんとのくだらないだらだらトーク(すごく「今どきの中高生」っぽい)は楽しいですね。
雁弥の黒歴史話とか、とっても身につまされるものがあって……ああっ! 胸が! 胸が痛いよママ!


メインヒロイン・菊華は、会うたびに口調が変わる厄介な女の子。彼女のせいで会話がより頭に入らなくなってしまっているのは間違いありません。普通に喋ってくれれば絶対に魅力的なのに!
表紙ガールだし、まずメインヒロインということでいいと思うんですが、正直彼女には、ストーリーの合間合間にポッと出ては、やくたいもないことを話して去るキャラという印象しかない……。もちろん物語上は最大のキーパーソンなんですけれども。
一方、素直に可愛さを発揮しているのが、雁弥のクラスメイトの小動物系女子・河和さん。河和さんマジかわわ。
「こういうのに男は弱い!」っていうのをモロに突いてくるあざとさがとても良い。ピュアに見えて実は腹黒そうなところがまた良い。河和さんマジぴゅわわ。


端的に言って1冊読んでの総括は「なんじゃこりゃ」だったのですが、とにかくまだ何も始まっていないので、面白くなるのはまだまだこれからなのでしょう。
ようやくやる気を出した雁弥が、菊華や河和さんとともに「喜劇部」で何を作っていくのか楽しみです。
幼馴染み・未來がストーリーにどう絡んでくるのかにも注目ですね。


イラストはえれっとさん。キャラクターの表情がとても豊かで楽しい。
キャラデザでは鞠弥が好きです! 罵ってほしい!


河和さんマジかわわ(流行りそう)。