まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

この恋と、その未来。 ―一年目 夏秋―

ストーリー
夏休みを迎えた四郎と未来は、和田、三好の4人で泊まりがけの旅行へ向かう。
島での開放感の中、未来に三好との仲を煽られ微妙な気分に陥る四郎。
未来に対しての好意を秘めたまま2学期に突入した四郎は、三好とともに文化祭委員を引き受けることになり……。



広島弁の女の子最高! と叫びたくなるライトノベル第1位(当社比)。
春の許されざる恋の芽生えから季節は進んで、四郎と未来、和田と三好の恋の行方も右往左往。
三好ちゃんが本当にいい子で健気で可愛くてたまらないのに、そんな女の子の気持ちは軽くスルーして未来への思いで悩んでばっかりの四郎がもう面倒くさくてしょうがない! なんでじゃ! なんでそっちに行くんじゃ!


和田さんといい三好ちゃんといい、この作品の女の子はわりと恋に貪欲でいいなあと思います。
特に和田さん。彼女のおかげで(あと未来の後押しで)三好ちゃんと四郎の距離がぐっと縮まっている感はありますよね。
今回はだいぶ和田さんの株が上がりました。ただノリのいい今どきの子っていうわけじゃなくて、文化祭のあれこれとかでは意外と繊細な面も見えて、とっても魅力的でしたね。料理が下手というギャップもまたにくい。
まあ、どうあがいてもその恋は……なわけですけど。切ない。


三好ちゃんいいなあ。めちゃくちゃ可愛いなあ。
四郎が他薦で文化祭委員にさせられたとき、すかさず立候補して一緒に委員をやろうとするあたりが、小動物的な見た目とは裏腹な意外な押しの強さでグッと来ます。
ほんと、どうして四郎はこんな子をほっぽって、未来のことばかり……。いやまあ、惚れちゃったもんは仕方ないとはいえ、もう少し他の子にも目を向けるとか、そういうことができないもんかなとモヤモヤさせられっぱなしでした。
その未来には、新たなヒロインが舞い降りましたね。正直、未来が絡むと恋愛面がゴタゴタしまくりですから、このまま他所の子とフェードアウトしていくのが一番平和な気もするのですが……。そうもいかないんだろうな。


次の季節は冬。せっかく進んだ恋に何か事件が起こりそうな、なんかイヤーな雰囲気が漂っていて不安いっぱいです。
個人的には和田さんの動向に注目したいところ。


存外に西園幽子がストーリーに絡んできて、前作を読み返したい気分に駆られる。