まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

緋弾のアリアXVIII 星条旗の覇道

ストーリー
緋緋神として覚醒したアリアを、カナとの共闘によりなんとか抑えたキンジ。
アリアとキンジは、緋緋色金の正体を知るアリアの母親・神埼かなえから別れを命じられてしまう。
それぞれ色金に対抗する手段を探すため、アリアはイギリスへ、キンジはアメリカへと飛ぶのだが……。



中国からヨーロッパと来て、今度はアメリカへと舞台を移した、世界を股にかけるバトルアクションラブコメ第18弾。
前巻がとんでもなく上質のアリア回だったので、「これはまたいつものパターンで、巻が変わった途端に別のヒロインとキャッキャウフフするんだろうな……」と半ば暗鬱たる気持ちに苛まれつつ読み始めたら、今回もしっかりアリアがメインヒロインを張っていて嬉しい大誤算!
もっとも離れ離れにはなっているわけですが、今までと何より違うのはキンジとアリアの心が確かに繋がっていると分かることで、ようやくこのふたりの関係もある一定のポイントを超えてくれたのだなと、嬉しくなってしまいました。


今巻でアリアが登場するのは冒頭100ページくらいまで。でもその序盤だけで、思いっきり可愛いアリアの姿を見ることができました。
緋緋神化することはすなわち恋をしていること、つまりアリアはキンジに恋をしている、という論理で、みんなに気持ちがバレバレになってしまったアリアさん可愛すぎる。特にかなえさんによるテスト方法が神がかってましたね。さすが母親、娘の扱い方をよく分かっていらっしゃるなあ……。
アリアとキンジがどれだけお互いにツンデレっていても、こうして気持ちが明らかになってしまった以上は、もう知らないフリはできませんよね! うひょう!(興奮)
空港でのふたりのやりとりも素晴らしかったです。イラスト込みでキュンときてしまいました。永遠のお別れではなく、また共に立つための、しばらくのお別れ。いやもう正直たまりません。かなめもあかりも無粋だな!


アメリカに渡ったキンジはジーサード一味、かなめ、そしてレキと行動を共にすることに。
ジーサードの仲間たちは変わり者揃いですが、皆気のいい面白キャラで、ジーサードを中心に家族みたいな絆で結ばれていて、見ていてほっこりしました。しかしこの奇人変人たちからこぞって最大の変人扱いをされるキンジさんはやっぱりキンジさんですな。
ラストバトルはいつぞやぶりの暴走特急! スピード感溢れる無茶苦茶なアクションがとっても気持ちよかったです。キンジさんはやっぱり不可能を可能にしてくれますわ。
キンジとジーサードの兄弟による久しぶりの共闘も熱かったですね! そういえば今回の始まりはキンジとカナの共闘だったわけで、遠山兄弟大活躍の豪華な1冊になりました。


さて、次回も引き続きアメリカ編になるのでしょうか。キーパーソンとなりそうなのはレキですかね。
アリアはもちろんのこと、最近出番に恵まれない白雪さんがどうしているのかも気になるし、見たいところが多すぎて困ってしまいます。
でもそうですね、思わせぶりに名前が出てきたアリアの妹・メヌエットには、ぜひ登場願いたいところです。次巻もとっても楽しみです!


うーんこの敵の小物感。嫌いじゃない。