まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

白銀のソードブレイカーII ―不死身の剣聖―

ストーリー
《世界の敵》となり、逃亡生活を送る《剣聖殺し》エリザと傭兵レベンス。
しかし不意に現れた剣聖・デュランダルの襲撃により、エリザの魔剣『処女神拷問』が折られてしまう。
絶体絶命となった二人の前に姿を表したのは、かつてエリザが倒したはずの剣聖・ヴァリエガータだった……。



世界最強の剣聖たちを少女が次々と斬っていくソードアクション・第2弾。
前回だけで7人の剣聖の内の4人を斬ってしまったから、もしかして2巻で終わるのかとも思ったのですが、そう簡単にはいかないようで。
まさかのヴァリエガータ再登場には胸が踊りました。剣聖の中でも特に好きなキャラクターでしたから!


1巻では鬼のような強さで剣聖たちを打ち倒したエリザですが、今回は剣聖デュランダルによって愛剣をぽっきり折られ、活躍の機会も少なめ。
その分頑張ったのは、なんとレベンスでした。剣聖とエリザの戦いに彼が割って入ることになろうとは思ってもみませんでしたが、前回よりもだいぶ、主人公らしい活躍ぶりを見せてくれていたと思います。
強大なる剣聖に立ち向かうため、レベンスを鍛えることになったのがヴァリエガータ。かつて倒した敵から、弟子として教えを請うことになるなんて……何これ、めっちゃ熱い展開じゃないか!
あとがきで作者が「師匠」について述べていましたが、私も「師匠」というものが大好きなのです。しかもそれが、世界最強の剣聖の上に、不老不死の超ベテラン剣士、なのに見た目は幼女のヴァリエガータだというんだから、もう色々と最高ですよね。


今回敵に回すことになった剣聖は、聖剣の力で人々の病や傷を癒やす聖女・エリオット。
これまでの剣聖も、それぞれその力を世界のために役立てていました。でもエリオットは、直接的に人々を救っているという点で、今まで以上にその命を奪うことが躊躇われるような相手です。でも、放っておけば彼女も結局剣魔になってしまう。どちらに転んでも不幸にしかならない展開が辛い。
特にヴァリエガータとの対峙は、どちらも悪くないのに、相手を倒さなければお互いが前に進めない、意地と意地のぶつかり合いでした。斬らずに済むのならば、それが一番いいのに……。


ヴァリエガータのおかげで、戦う力を得たレベンス。再び剣を手に、立ち上がることができたエリザ。
でも、ふたりの間には秘密がひとつできてしまいました。旅の目的自体は順調に達しつつあるのに全く明るい未来が見えないのが、とても気がかりです。ふたりが剣を交えるようなことにならなければよいのですが。
残る剣聖はさらなる強敵ばかり。ヴァリエガータのもとで剣技に磨きをかけつつある(たぶん)エリザが、レベンスと共にどんな戦いを見せてくれるのか、とても楽しみです。


レベンスから師匠と呼ばれてウキウキするヴァリエガータちゃん可愛い。可愛い!