まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

エンド・リ・エンド 1 退屈で無価値な現実から、ゲエム世界へようこそ。

ストーリー
自称悪魔のハムスターに導かれ、別世界で人生をやり直すことになった御代田侑。
そこは、美少女の幼なじみや義妹、転校生、先輩とのフラグが立ちまくるリア充世界だった。
『主人公』である自分に浮かれる侑だが、この世界には悪魔が作ったルールがあって……。



耳目口司先生の新作! 前作が大好きだったので、新しい作品が読めるこの時をずっと待っていました!
ギャルゲーのような世界に転生した主人公が、次々に登場する美少女たちとゲームマスターの悪魔に翻弄されながら、ただひとりの「メインヒロイン」を探す、“パッと見”ラブコメディ。
お話の大半はきゃっきゃうふふで明るく楽しいラブコメなんですが、最後の最後でズンと落とされて……ぬああ! まあ、ただでは終わらないよなとは思っていましたけど……。


重い病を患い、ずっと入院生活を送っていた主人公が転生したのは、予想以上にゲームっぽい世界でした。
新キャラが出てきたら顔の横に名前と説明が浮かび上がるし、悪魔・ルーニーのさじ加減でラッキースケベも自由自在。
出てくる美少女にはとりあえず話しかければ仲良くなれて、携帯電話のアプリで女の子たちの好感度も一目瞭然。
いかにもゲーム的すぎて、あんまり第二の人生という感じがしないのがちょっと気になりますが、元々大変な人生を送っていた侑にとっては、それはもう楽しくて仕方のない状況だろうと思います。
しかし、この人生を用意したのは悪魔。何もかも自由というわけではありません。
このまま楽しい生活を続けるためには、侑と同じように元の世界から転生してきた「ヒロイン」を、他のNPCの美少女たちの中から見つけ出すことが必要なのですが……。


今回フィーチャーされた女の子は幼なじみ・茅野ですけれども、まあなんとも可愛い子でした。一度疎遠になった幼なじみっていう設定は、かなり好みなんですよ。
学園のアイドルなんだけれど飾らずに接してくれて、素直な好意をぶつけてくれて、こんなん好きにならないのが無理というもんです。
その他の女の子たちも、まだキャラクターは掘り下げられていないけれども、それぞれきっちり萌えを押さえた魅力的な子たちばかりでした。
本当にね。いっそ、女の子にまるで魅力がなければ、こんな思いをしなくても済むんだろうにね……。


女の子が可愛ければ可愛いほど、ラストがキツい。そんなラブコメなんてアリかよ!
今回は丸ごとプロローグという側面もあったので、この「ゲーム」の本質の一端を知った侑が、今後どういう風に女の子を攻略していくのか見ものですね。
個人的には、ベタながら常磐木が一番気になっているので、彼女こそ「ヒロイン」であってほしいと願っています。頼む、頼むから……。


イラストはヤスさん。女の子のふわふわ感は格別です。
しっかし表紙のルーニー、見れば見るほどイラッとしますね!


巻末オマケのキャラクターシートの「隠し要素」に絶望。鬼か。