まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外伝 ソード・オラトリア2

ストーリー
怪物祭の騒動で壊してしまった武器を弁償するため、ダンジョンへ潜ることにしたアイズと仲間たち。
ところがダンジョン内で立ち寄った街で、一行は謎の殺人事件に巻き込まれてしまう。
上級冒険者を手にかける凶悪な殺人鬼を追っていく内に、アイズたちは都市と迷宮を揺るがす事柄に直面する……。



最強クールビューティーヒロイン・アイズ様を主人子に据えた外伝の第2弾。
1巻はおおよそ本編1巻の裏側に相当する内容でしたが、今回は本編2巻の中盤くらいまでの裏側のお話で1冊使っていました。予想以上に丁寧に「白兎の少年」の側からは見えない部分での物語を描いているので、もはやもうひとつの本編と言ってもいいかもしれません。
それにしても、もう何度となく言った気がするけれど、やっぱりアイズは超カッコいい上に超かわいいな!!


アイズとその仲間たちは、上級冒険者の中でもトップを行く戦闘能力の持ち主ばかり。
そんな彼らを緊張感のあるバトルに持ち込ませるためには、やっぱりそれなりの危機が必要なわけです。ある意味本編以上に大変な戦いが描かれているのは、もしかしたら必然かもしれません。
アイズはもちろんですが、ティオナ、ティオネ、レフィーヤといった仲間たちの戦いぶりも、やはり見ていてとても楽しいしカッコよかったです。
中でも圧巻だったのはフィン団長とリヴェリアですね! アイズでさえ苦戦する殺人鬼を相手に一歩も引かないその強さ、まさに最強といった感じ。
フィンに関しては、今まであまりその凄さが伝わってこなかったので、だいぶ印象が変わりました。彼らの過去のお話なんかも、気になるところですねえ。


リヴィラの街では仲間たちに少々譲ったけれど、最後はきっちりと、しかもひとりで決めてくれるのが、アイズさんのクールなところ。
本編を読んでいれば、この戦いの結末がどうなったのかは既に分かっているのですが、そんなことは関係なく、まさに命を懸けた戦いと呼ぶべき緊迫感溢れるバトルに、手に汗かきまくりでした。
対人では使わない奥の手を頼りにして、強大な敵に敢然と立ち向かうその姿。これこそ勇者。最高に熱い戦いでした!


思う存分カッコよさを見せつけてくれた後に、こんな胸きゅんエピローグを持ってくるんだから、ずるい。本当にずるい。
順当にいけばそろそろ、アイズと「少年」とがきちんと出逢うはずですが……。果たしてアイズ視点からはどのように描かれるのか。期待が高まります。
本編のキャラがこちらに登場したり、またその逆があったり、といった楽しみもありますね。例の「ニヤリ」要素にはあとがきを読んで初めて気付いたのですが、こう、ハートにクるものがありました。もっともっとやってほしいなと思います。せっかく2つのシリーズがあるんですものね。


正直、ロキとベートのターンのテンションの下がり具合は尋常じゃなかった……。なんかすみません。