まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

韻が織り成す召喚魔法2 ―クレイジー・マネー・ウォーズ―

ストーリー
強制的にラップバトル空間に引きずり込み、敗者を支配する魔道具「サタニックマイク」を手に入れた真一。
ある日、真一の幼馴染・朝比奈緋奈が転校生として現れ、ヒップホップ研究部にバトルを挑んでくる。
なんと緋奈もサタニックマイクを所持しており、バトルに勝利した緋奈は新部長として君臨することになるが……。



マイク片手に相手を打ち負かすラップバトル・コメディ第2弾。
ノリは基本おバカで下らないのだけれど、そこに乗り切ってしまえばとことん楽しい、不思議な味わいの作品だと思います。
ネタ自体はマニアックでも、ストーリーを追いかければ、やっていることは幼馴染との友情を取り戻すとか悪役をやっつけるとかで、実は直球なお話であるところも、気軽に読めて素敵なポイントですね。


2本目のサタニックマイクが登場。所持金がそのままヒットポイントになるという仕組みで、前巻に比べてバトルがだいぶ分かりやすくなりました。
緋奈は真一の幼馴染ということですが、真面目一辺倒の真一にこんな破天荒な友人がいたことに驚き。まあ根っこはいい子ですし、実は真一と同じく孤独なところもあって、次第に似たもの同士なんだなと思えてきましたけど。
緋奈のラップも真一と同じくらいクールでした。いや、どのラップがカッコいいとかは、よく分からないけれど、なんとなく? 韻とか多めに踏んでるし? やっぱり、その辺のモブキャラのラップとは、どこか力の入りようが違うような気がします。


一度強制的に契約解除をすることになってしまい、思いがすれ違う真一とマミラダ。
なかなか素直にならない真一にはもうため息ですが、一方でまっすぐに好意をぶつけてくるマミラダがとても可愛かったです。恋愛がメインじゃないと思って油断していると、マミラダはやたら可愛いところを見せてくるから困りますね!
もう早いとこくっついちゃえばいいんじゃないかな……え、シスター森崎ですか? あの子ってヒロインなんですか?(純粋な疑問)
まあ、今後の展開は全く読めませんが、ドタバタギャグをやりつつ、そういった恋愛要素もちょこちょこと入れてきてくれると嬉しいですね。


イラストはx6sukeさん。アニメチックな絵柄が作品にピッタリ。
マミラダの泣き顔にはグッときました。


これくらい小物臭溢れる悪役もまたいいものだ。