まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

僕は友達が少ない(10)

ストーリー
慰安旅行がきっかけで、生徒会主催のクリスマス回の準備に関わることになった隣人部。
部の面々はそれぞれ他の部員や生徒会メンバー、その他の生徒達との仲を深めていく。
そしてついに、リア充界最大の祭典、クリスマスが訪れるのだが……。



波乱に次ぐ波乱でもう何が何だか、な今シリーズもクライマックス間近。
今回も色々と爆発していましたね! 特に隣人部のメンバーは、ほぼ全員何かしらがあったんじゃないかとさえ思えてきます。
恋愛面では、ここからどうあがいても、全て丸く収まるようには見えないのがとても辛い……。


隣人部+生徒会での人狼ゲーム。流行りモノをしっかり作品に取り入れていくあたりは、さすが平坂先生。
私も多少経験があるのですが、作中のキャラクター同士が知っているゲームで遊ぶというのは、見ていて楽しいですよね。1回といわず、何回戦でも見たかったです。
この人狼ゲームを皮切りに、どんどん活躍し始めたのが夜空。元々才能のあるキャラですから、こんな風に力を発揮するのも、分からないではないのですが……。なんでだろう、夜空が周囲に認められているとちょっとムカつく!(笑)
そして、夜空が学園の人気者になっていく一方、安定して人望のない星奈さんがとても哀しい。
まあね、彼女は確かに人付き合いが下手すぎます。“隣人部メンバーの中で純粋に友達が欲しくてやってきたのは星奈だけ”という小鷹の指摘には泣いた。
誰よりも恵まれたものを持ちながら、残念にしか生きられない不器用な少女。そんな彼女だからこそ私は星奈のことが好きなのだと思います。


基本自分を変えず、流され流され、だった小鷹。でも、友達ができたり、隣人部のメンバーがみんな成長していくのを見たり、という中で、彼も確かに変わりました。
変わらない日常の中で、みんな変わっています。あれだけ角突き合わせていた夜空と星奈だって、これほどに。なんだよ、ほっこりしちゃうだろ。
変わってしまったことが、物語の終わりを感じさせて、どうもしんみりしてしまいますけれども。
これからの「エピローグ」で、成長したみんなが何を選んでいくのか、ちょっぴりの不安と大きな期待を持って、楽しみに待ちたいと思います。


えっ、何それ幸村さああああん!?