まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外伝 ソード・オラトリア

ストーリー
迷宮都市オラリオで最強と名高い女剣士【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタイン
彼女は今日も仲間達と共に、広大な地下迷宮へと繰り出すしていく。
ダンジョン51階層まで降りた【ロキ・ファミリア】の一行は、クエストをこなすために別行動を取るのだが……。



圧倒的オーラで読者のハートをつかんで離さない、我らがアイズたんを主人公に据えた外伝シリーズスタート!
本編で起きた様々な事件の裏側で、【ロキ・ファミリア】では何が起こっていたのか、最強の剣姫さんが何をしていたのか、ということをたっぷりと描いてくれています。
物語開始時点ではただの初心者だったベル君とは違い、アイズのクール極まる戦いぶりはまさにトップランクの冒険者という感じで、大いに燃えました。


第二章までは、アイズがベル君と出逢う直前、【ロキ・ファミリア】の面々と共に遠征に赴いたときのお話。
注目すべきはやはり、ファミリアの上級冒険者たちのバトルではないでしょうか。
ティオナ&ティオネ、リヴェリア、フィンといった、本編で名前は出てきても実際にその強さが分からないままだったキャラクターたちが、力を合わせて凶悪なモンスターと対峙する場面は、胸が踊りました。
もちろんその中でもアイズは特別で、絶対に壊れない剣を片手に巨大な敵を圧倒する姿に痺れます。このヒロインちょっと格好良すぎるだろう!


第三章で、本編冒頭のベル君との出逢いを果たすアイズ。
ベル君に逃げられてしまいすっかり落ち込んだ彼女を見かねて声をかけるリヴェリアの面倒見のよさや、買い物に連れだして元気を取り戻そうとするティオナたちの明るさから、【ロキ・ファミリア】の絆の強さが垣間見えました。ベートは黙って店先に吊るされておきなさい。
表面上は感情希薄に見えるアイズですが、沈むときはとことん沈んじゃってたり、強くなるために異様な執着心を見せていたりと、意外に感情的な面がちょこちょこと見られましたね。あれほど強いのに、中身はちょっと子どもっぽいところがあるっていうのもまた、アイズのたまらない魅力のひとつだと思います。


【ロキ・ファミリア】といえどもちろん上級冒険者だけではなく、彼らを追いかける冒険者たちもいます。
その中で今回活躍していたのは、アイズを尊敬するエルフの魔道師・レフィーヤ。彼女もLv.3ですから、大抵の冒険者たちよりも上にいるのに、このファミリアのトップの中では足を引っ張る側に立ってしまうのだから怖い。
でも、ここぞというところで見せてくれるたいへんな破壊力の魔法や、強い精神力を見ると、さすがアイズの隣で戦うだけのことはある格好良さ。今後は彼女の成長にも期待したいですね。
もちろんアイズの方も、ここで打ち止めなどと思わず、どんどん先へ進んでもらいたいと思います。彼女も近々、成長のきっかけが待ち構えていることですしね。
次巻もありますよね? アイズは本当に好きなキャラですから、本編に負けないくらい楽しみに待っています。


イラストははいむらきよたかさん。戦闘シーンの躍動感が素晴らしく、改めて魅力的なイラストだなあと感じます。
本編と絵柄は違うのに、違和感がないのがまた凄いですよね。


また限定版があることを知らず通常版を買ってしまった……。