まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

はたらく魔王さま!10

はたらく魔王さま! (10) (電撃文庫)

はたらく魔王さま! (10) (電撃文庫)

ストーリー
恵美と芦屋を連れ戻すためエンテ・イスラへやってきた魔王と鈴乃。
アルバートと合流し皇都蒼天蓋に近づく一行だが、なぜか魔王がアシエスとの融合に失敗してしまう。
鈴乃から戦力外通告を受け、仕方なく千穂へのお土産を物色する魔王だったが……。



エンテ・イスラ編決着。恵美どころか芦屋まで捕まってどうなることかと思いましたが、きっちりかたをつけてくれて何よりでした。
真奥は真奥で頑張ってましたけど、今回の主役はやっぱり恵美になりますかね。
物語の初めからずっと続いていた大きな問題がひとつ解決する、ストーリー上でも重要な事件だったのではないかと思います。


悪魔大元帥として再び君臨することになった芦屋改めアルシエル。
そのアルシエル率いる悪魔軍団に対抗すべく結成された人間たちの軍、そして旗頭に我らが恵美改めエミリア
構図としては非常に燃える展開ですが、アルシエルとエミリア当人同士の思いは、やっぱり戦いとは別のところにありました。
勇者だった頃は悪魔を憎み倒しまくっていたエミリアだけれど、今となっては悪魔と戦うことをためらっています。大きな変化ですね。
敵同士という体を取っていながら符丁を用いて意思疎通をはかるアルシエル―エミリアのつながりには、なんとなく胸がじんわりとしました。
時間稼ぎのためのアルシエルとエミリアの一騎打ちがまた熱かったですね。やだ、ちょっとアルシエルさん格好良いじゃないですか。本職の主夫業はどうされたんですか。


勇者父娘の再会はともかく、アラス・ラムスとアシエス・アーラの方の感動の再会には大いにハートが癒やされました。
舌っ足らずなのにお姉さんぶるアラス・ラムスがかわいすぎる。イラスト込みで。
しかしなんていうんですかね、サタンとエミリアが無事に出会えた時点での安心感は凄いですね。もちろん首謀者の天使たちとのバトルなんかもあったんですが、魔王と勇者が揃っちゃったし、大悪魔もいるし。
実際はそれでも天使たちの方が有利だったんでしょうが、なんとなく勝った気になってしまえるのは、やはり魔王と勇者という響きのせいなんですかね。
とりあえず、最後にまさかのあの人が登場してきたのはずるすぎると思いました。釈迦如来かよ。


ファンタジー世界の因縁をひとつ断ち切り、地球での人間関係も少し変化して、この先今までとは少し違った日々が待っている予感。
何やらまたとんでもない敵が現れたような気もしますが、ラストのちーちゃんの笑顔を守るために、真奥も恵美も頑張ってもらいたいですね。
今回は出番に恵まれなかった漆原の活躍にも期待しています。


冷奴食べたくなってきた。