まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

魔法少女育成計画limited(後)

ストーリー
結界で限定された街を舞台に繰り広げられる、魔法少女達の命をかけた“追いかけっこ”。
刻々と近づくタイムリミットの中、三つの陣営を取り巻く状況は常に変化し続ける。
そして遂に魔法少女達の中に潜む暗殺者がその姿を現し……。



ウェディン陣営とマナ陣営のバトルにピティ・フレデリカ陣営が乱入。
敵に捕まって考えを改めたり、味方から敵が出てきたり。色々あって次第に陣営の境界をうやむやにしつつ、バトルバトルバトルの1冊でした。
毎度ながら、魔法少女たちの命は次々に奪われていくし、信頼とか絆とかそういうものも大抵無駄になるしで、とても気分がいいとはいえないラスト。でもこの嫌な後味がまた癖になるんですよね。困ったものです。


ふと気付けば前編では魔法少女のうちの誰も命を落としておらず、すなわちその分だけ後編ではどんどん倒れていくというわけで。
やっぱりプキンとソニア・ビーンが入ってきたせいでしょうか。もちろん暗殺者もですが。明らかな悪人が交じっていると数段緊張感が増しますよね。
個人的にも気に入っていて戦力的にも最強に思えたキャラが暗殺者にあっさりやられてしまったのはショックでした。彼女はもっともっと活躍できる人材だった……。
必ずしもタイマンで強い魔法少女が勝つわけじゃないし、魔法にも相性があるから、単純な強い弱いだけでは勝敗が予想できないんですよね。だから楽しいんですけれども。
しかしなんだ、暗殺者とトコのコンビは実に胸くそ悪いですね! 印象自体はむしろ、プキンよりもよくありません。このシリーズに出てくるマスコットは基本的にこんなんばっかりで嫌になってしまいますね。


無敵の襲撃者を捕らえるための魔法少女たちの共同戦線が熱い。しかしこの人、ほんとにめちゃくちゃ強いんだな……。
相手の隙をどのように突くかという戦いはパズルのようで面白くもあり、でも終わってみると好きなキャラがことごとくいなくなってしまっていて、なんともやるせない気持ちにさせられました。
ピティ・フレデリカの立ち回りは特に魅力的でした。結局最後まで隙がなかったのは彼女くらいじゃないかと思います。まあ、テプセケメイを加えてもいいですけど。
エピローグのラストがまたなんともいえぬ気持ち悪さでしたね。あの子が生きていてよかったという思いもあり、これでいいのかという思いもあり。
続編もあるようですし、またの登場に期待するとしましょう。


個人的なベストイラストは最後の戦いでのプキンさん。怖すぎます。