まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

瑠璃色にボケた日常4

ストーリー
霊能者特有の病気・霊瘧にかかり、全くボケなくなってしまった瑠璃。
霊力も低下しまるで普通の女子高生のような言動をする瑠璃に、孝巳はどうも調子が出ない。
そんなとき、孝巳の前に、瑠璃を探しているという“与霊師”の男が現れ……。



完結。終始楽しませてくれた作品だっただけに4巻で終わってしまうのは少し淋しいのですが、1巻からの因縁にきちんとけりをつけるという形で、綺麗に幕を閉じました。
瑠璃の性格が変わってしまったということで戦力的にはわりとピンチだったはずですけれども、孝巳、翠、柘榴がチームとしてしっかり成り立っていたことと、何より孝巳の成長のおかげで、不思議と安心感がありましたね。
瑠璃がボケなくてもテンポのいい会話ギャグは顕在。たくさん笑わせてもらいました。


ボケなくなってしまった瑠璃さん。あのやさぐれた感じが消えて、可愛らしいといえば可愛らしいキャラへと早変わり。
孝巳はそれなりにドキドキしてしまったようですが、個人的にはだいぶ幼稚な印象を受けました。あ、そうか、孝巳さんはロリロリ天国の人だから。
元が強烈すぎるので瑠璃本人のキャラとしてはやっぱり少し物足りなさを感じます。むしろ周りの人々の反応が面白かったですね。特に月長さん。あんなに裏のボス感を出していた彼も、すっかりギャグ要員になっちゃって……。
一方、今回戦力面でめちゃくちゃ頼りになったのは柘榴でしたね。
業界の裏を知る彼女ならではのやり方で標的に迫っていく柘榴さん、ちょっと魅力的すぎて惚れ直しました。このエロさ。かつ腹黒さ。たまりません。
翠はというと、もちろん表の方で頑張って戦ってくれていたんですが、そんなことよりボケに下ネタがだいぶ増えちゃったという印象の方が強くて、なんともはや。
柘榴と一緒にいるうちに慣れてしまったのでしょうか。それとも元から才能があったのでしょうか。翠と柘榴という超美少女ふたりの下ネタに挟まれる孝巳、なんという幸せ者なんだ。


翠もだいぶ直接的に迫ってくるようになったし、柘榴はもう半歩間違ったら一線超えちゃうなって感じになっちゃってますが、やっぱりまだ、孝巳の隣には瑠璃が似合います。
別にヒロインというわけではなくて、あくまでお笑いコンビのパートナーとしてですけれども、その絆は特別なもの。ボケが戻った瑠璃と見つめ合うあの素晴らしいイラストを見て、改めてそう思いました。
いやはや、ここで終わりというのが本当に残念です。新人賞作品とは思えないほどの安定感がある、面白い作品でした。えれっとさんのイラストも素晴らしかったですね。
これからの彼らのボケボケな日常を妄想しつつ、お別れとすることにします。新作も楽しみに待っています。


はいてない時は見えない。はいてる時は見える。これが世界の神秘か。