まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

放課後四重奏3

放課後四重奏 3 (GA文庫)

放課後四重奏 3 (GA文庫)

ストーリー
草ヶ部の告白から数週間後、西京路への旅行に向かうSL会と峰。
にぎやかに観光を楽しむ一同だが、時折、灰堂をめぐって火花を散らす状況が訪れる。
そんな中、灰堂は忘れていた過去の記憶を思い出し……。


完結。前作に比べヒロインの数も増えているし、もう少し長く続くかなとも思ったんですが、すっぱり3冊でまとめましたね。
物語の進み具合も早かったので、感覚的にはちょうどよかったような気がします。
3冊でヒロイン全員の可愛らしさを描いて、きちんと決着までつけてくれたのにはただただ見事と言う他ありません。


峰に草ヶ部、さらには勢いに任せてもうひとり。いやはやSL会のみなさんは実に行動派ですね!
みんなで楽しい楽しい旅行! ……のはずなのに、みんなの間に流れるピリピリしたムードがたいへんな緊張感を醸しだしております。分かりやすく好意を持たれてる女の子4人と旅行だなんて、そりゃピリピリもするよってもんですよね。
特に空上と草ヶ部の争いがひどい。実に楽しそうに煽り合う。ちょっともう怖くて見てらんないんですけど。女の子怖い! ひい!
灰堂は確かにだめだめヘタレ男かもしれませんが、この状況はさすがにちょっとかわいそうです。見た目はハーレムなのに全然羨ましくないのが不思議……。
しかし灰堂とふたりきりになった途端、どのヒロインも驚くほど可愛くなるから凄い。みんな幸せになってほしいと思わされてしまいます。


なんとなくですが、最終的にはこの子が残るんだろうなとは思っていました。
思いを行動に移せてしまう面々に囲まれて、ひとりだけ色んなことを抱え込んじゃう女の子。
でも今の灰堂は彼女がいたから変われたのだし、色んなことのきっかけになったのはやっぱり彼女で、やっぱり個人的にも思い入れが深いのですよね。
この放っておけなさはずるい。まあ確かに運命とか、そういったものも感じさせる出会いではありましたけど、それを抜きにしてもきっと、灰堂は彼女を選んでいたのではないかなと思います。
思いを固めた灰堂の背中を、それぞれのやり方で叩いていくヒロイン陣はとても格好良かったです。
最後の最後まで「いい女」揃いでした。灰堂さんは幸せものですな。
たくさんのきゅんきゅんをくれたお話でした。次回作も楽しみにしています。


エピローグでのメインヒロインさんの壊れっぷりが楽しすぎる。