まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

アクセル・ワールド15 ―終わりと始まり―

ストーリー
《大天使メタトロン》を撃破した矢先、加速研究会に拉致されてしまう赤の王スカーレット・レイン。
ニコを守ると約束したハルユキは、大天使メタトロンの加護を受け、ブラック・バイスを追跡する。
いっぽう黒雪姫は、現実世界からニコの回線を切断するため、ミッドタウン・タワーのポータルへと向かうが……。



巻を通じて加速世界が舞台の1冊。これ、現実世界では何秒くらいの出来事なんだろう……とか考えると笑えてきます。
長々と続いた加速研究会との戦いもようやく、ほんとにようやく、クライマックスを迎えそうな雰囲気。いや、とはいってもまだ続くんですけどね。


ブラック・バイスを追うハルユキチームと、ポータルを目指す黒雪姫チームに分かれてお話は進みます。
ハルユキ側はタクとチユとパドさん。そして前回戦った神獣級エネミーのメタトロンがクロウのヘルプに。
「戦った相手が仲間になる」はいつでも熱い展開だし、今作でも何度となく描かれてきたテーマですが、まさかエネミーに助けられるときが来るとは思いませんでしたね。
ということでなんと表紙まで奪ってしまったメタトロンさん。しかしそれにも思わず納得してしまうほどの活躍ぶりを見せてくれました。
キャラもいい。端的に言って可愛いです。もうメタトロンさんがメインヒロインでも構わないくらいに可愛かったです。またハルユキさんは彼女不在のところで新たな女と親交を深めちゃうのか……油断ならない奴ですよまったく。
ハルユキの他にこちら側で目立っていたのはやっぱりパドさんでしょうか。主を奪われた寡黙な豹の本気。とても格好良かったです。


黒雪姫側は遂にISSキット本体と相まみえることに。黒の王+四元素の3人という破格の戦力を持ったチームですが、それにふさわしい敵が姿を見せました。
この作品はハルユキの成長物語ですが、同時に黒雪姫の成長物語でもあると思います。そんな黒雪姫の物語にとって、この戦いが重要なターニングポイントとなることは、疑いようがありません。
もちろん、レイカーもメイデンもカレントも素敵でした! やっぱり四元素はいい。残るひとりの存在も散々ほのめかされて、いい加減気になって仕方がなくなってきたので、早いとこ登場してきてもらいたいものです。


しかしなんだ、このシリーズは本当に、過去の敵の再登場が好きですね。
ハルユキ側に出てきたアイツもコイツもそうだし、ラストのヤツに至ってはもはや何度目だよ! という感じですが、まあ加速研究会編クライマックスに向けての総力戦ということで……いや、さすがにそろそろ終わるよね?
ともあれ、毎度のことながら次巻が待ち遠しいです。ぜひとも決着を!


薄々思ってたけれど、川原先生は四コマ漫画の才能もあるんじゃないだろうか……。