まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

クライシス・ギア 2 沈鬱なる青

ストーリー
緋扇家を襲った「黒の使徒」が次の目標に定めたのは、六大財閥のひとつ八芒家。
八芒家は財閥による共闘組織「五撰陣」を編成し、真っ向から迎えうつ。
緋扇家のエージェントとして戦いに参加した陣は、幼くしてクライシス・ウェポンを顕現させる謎の少女に出会い……。



突っ走り系主人公がひとり暴走していくハイスピードバトルアクション第2弾。
何やら見覚えのある名前の人が帯コメントなど書いていたので帯にサインしてくれと頼んだら断られました。残念です。


今後レギュラーになっていきそうな新キャラが何人か登場しました。
まずは慎と対照的な性格の第七種エージェント・久地楽。任務に対しては真面目一辺倒で、敵の追撃よりも人命救助を優先するなど、今まで登場してきたエージェントたちの中でも飛び抜けて「まとも」な神経の持ち主です。
自分の目的のために勝手な行動を取りがちな慎よりもよほど主人公らしいキャラだと言えるかもしれませんね。慎が主人公(黒)なら久地楽は主人公(白)。
腕もかなり立つようですし、物語の展開によっては、裏の主人公としてこれから活躍してくれる予感がします。
そして今ひとり。黒の組織に所属し、大剣のクライシス・ウェポンを振り回す少女・サファイア。振り返ってみると、今回は彼女を中心にしてお話が回っていたように思います。
初めは口の悪さに少々ムカッとさせられましたが、その境遇が明かされていくにつれてその口調も子どもの強がりに思えてきて、するとちょっと愛しさのようなものが湧いてきて、まあ端的に言うとロリ可愛いな! ロリには勝てないな!


慎の喧嘩っ早いところや、何でも自分だけでできると思い込んでいるところなんかはどうにも好きになれないんですが、紗々良を本気で守ろうとしたり、なんだかんだで自分の正義を持って行動しているところは、一本筋が通っているなあと思います。
ただ、霞耶とのあまりに不器用なコミュニケーションには、ちょっと小言をぶちかましたいところですね。
大事な幼なじみを危険に巻き込みたくないという気持ちは十分理解できますが、なんでその理由を言わずにただ拒絶してしまうのか! 言葉にしなければ伝わらないこともあるんですよ。
危険にどんどん足を突っ込んでいくにつれて、幼なじみと過ごす日常から離れていってしまう現状が切なくてたまらないんですが、この状況はいつか打開されるのでしょうか。優しい霞耶さんには根気強く頑張ってもらいたいなと思います。


慎の目的からすれば、今回は少し寄り道気味なお話だったかもしれませんが、最後にちょっとした進展がありましたね。
失われた過去に、慎はどのようにして辿り着いていくのでしょうか。真実は彼にとって救いとなるのでしょうか。
可愛すぎる紗々良との関係の変化にも注目ですね。次巻も楽しみです。


チャプターエクストラの3人が可愛い。久地楽くん含めて可愛い。