まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣)6

ストーリー
オピウムの起こした神触で死者の霊が溢れだし、街はパニック状態に。
砕月は皆を救うため、タマと共にオピウムと戦うことを決意する。
ところがいざ戦いになると、砕月はオピウムを攻撃することができず……。



めちゃくちゃ最終巻っぽい巻でした。まあ最終巻は次らしいので違うんですけど。
1冊通じてシリアスモードのバトルづくめなのですが、もちろんちゃんと笑いを挟んできてくれるので疲れず読めました。砕月と誰か女の子がいるだけでギャグに持ち込めるのは強みだと思います。
メインヒロイン(!)タマさん大活躍! 恋に戦闘に、1巻の頃からするとありえないくらいの活躍ぶりで嬉しいです。


遂にオピウムとの最終決戦。今までのバグとの小競り合いとは段違いのピンチが世界を襲いました。
そんなときでも、敵味方問わず女の子のことを再優先しちゃう砕月さん。せっかくタマが合理的な(というと少し冷たく聞こえるけれど)判断をしつつ、なんとか世界を救おうとしているのに、何やってんだという感じ。本当に困ったちゃんですねこの人は!
挙句の果てにはオピウムを殴ることさえできない始末で、それなのに自分でみんなを助けるなんて言い張るもんだから、そりゃあタマだって怒ります。
もちろんそれでこそ砕月なんですけど、今回ばかりはさすがにタマに同情せざるを得ませんでした。


砕月がふがいない分だけ頑張っていたのがヒロインたち。
優沙ちゃんも静流先輩も千夏も基本的には守られる立場なのに、それぞれ自分にできることで砕月を守ろうとしていました。愛って偉大だな……。
常に反目し合っていたはずのタマとのやりとりも印象的でした。何この歩み寄りの姿勢。本当にハーレム構築されちゃうよ?
ハルマラ様とタマの会話も良かったですね! 背中合わせ熱すぎる。上司と部下ではなく、並び立つ者として戦っているのだということが改めて実感できました。
そしてやっぱり、砕月と最後まで一緒に戦い抜くのは我らがタマさんですよ。
覚醒タマさん格好良すぎ。そしてデレタマさん可愛すぎ。だめだ、こりゃ勝てませんわ。優勝。タマさん優勝です。
ゲス君に散々振り回されて何百回と呆れただろうに、それでもさじも投げずに隣に居続けたんですものね。彼女こそが実は誰よりも健気で一途なのかもしれません。


衝撃の事実などもいくつか明かされましたが、最後には砕月も立派に主人公してくれてなんとか一段落。
おまけ程度に次回予告気味の引きがありましたけど……正直、ここからまた「最終巻」をやるのは相当大変だと思います。
てっきり後日談的に思いっきりドタバタラブコメをやって楽しいエンディング! を迎えるんだろうと予想していたのですが、どうやらまた新たな展開が待っていそうな気配。あと1巻でいったいどんな風に物語を締めてくれるのやら、実に楽しみです。


扉口絵をひと目見て「こいつは何を言っているんだ」と心の底から思いました。