甘城ブリリアントパーク2

甘城ブリリアントパーク2 (富士見ファンタジア文庫)

ストーリー
ギリギリの手段まで使って、潰れかけの遊園地をなんとか救った西也だが、問題は山積み。
中でも深刻なのが人員不足だったため、急いで人を募集することに。
ところが集まったのは珍妙な女の子ばかりで……。


今回は2話構成。それぞれ、遊園地再建のためどうしても足りないもの、「人」と「お金」をなんとかしようという中編になっています。
ざっくり分けると前半はひたすらギャグタッチで、後半は少しシリアスが入った感じ。どちらも面白かったけれど、やっぱり個人的には前半の、とことんばかばかしいコメディが特に楽しかったです。大いに笑わせてもらいました。


「人が足りない！」は、人材確保のために面接を開催するお話。
口にすると本音を漏らしてしまうようになる「ポンネーの実」を飲まされたいすずがやたら可愛くて驚きました。こんなに可愛かったっけ。
1巻では真面目で無骨な女戦士というくらいの印象だったのですが、彼女も思った以上に西也のことを気にしていたのですね。ヒロインはラティファで確定だと信じた私が間違っていました。
西也に対して本音を喋りそうになるたびに「ん―――！」と焦っては奇行に走るいすずの姿が新鮮でよかったです。今まで見せなかった色んな顔を見せてくれました。
面接が始まってからのギャグのテンポは凄かったですね。面接に来たメンバーもツッコミ大歓迎状態なのに、ふと油断していると「ん―――！」ないすずが入ってくるもんだから、笑いどころたっぷりで飽きませんでした。
映子さんと美衣乃もなかなかユニークですが、ちょっと出てきてすぐにいなくなってしまった椎菜がいちばん気になります。彼女もきっと何かおかしな特徴を持っているに違いありません。今後の活躍に期待です。


「お金が足りない！」は、経済難に歯止めをかけるために第二パークをなんとかしようとあれこれするお話。
とりあえず出だしのラティファ様といすず・ミュースの入浴シーンがハイライト（断言）！　そして資金繰りのために奮闘していたはずなのに、気付いたらダンジョン探検が始まってました。わりとムチャクチャ展開だと思うんですが、それを許せてしまう作品の懐深さを逆に感じさせられます。
西也の魔法のこととかぶっちゃけすっかり忘れてましたが、なかなかどうして使えるものです。まあ西也の最大の武器ですし、これからも遊園地発展のための重要なキーになりそうですね。


ひとつ問題が解決しても二つ三つと問題が出てくる遊園地経営。
西也が次に打って出るのはどんな手か。次第に交錯し始めた、西也といすず、そしてラティファの思いはどこへゆくのか。
そういったシリアス方面にも期待しつつ、ぜひ次回も思いっきり笑えるドタバタギャグを読みたいですね。楽しみです。


ティラミーがマスコットたちの中でも群を抜いてダメ人間（？）すぎる。