まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

超粒子実験都市のフラウ Code-2#足跡無き刻印魔女

ストーリー
実験都市中の研究機関がその成果を見せる祭典・TECHカーニバルでバイトをすることになった隼人とフラウ。
一方その頃、研究施設が連続で狙われる爆破事件が発生、“爆弾魔”として世間を騒がしていた。
爆弾魔の次の標的は、大勢の客が集まるフラウたちの会場らしく……。



なんと2巻目にして完結。色んな可能性を感じるストーリーだっただけに、ここで終わってしまうのはちょっと寂しいですね。
章立てなど、1巻とは書き方が微妙に変わっていたように思います。個人的には前の方が好きだったかも。


今回は都市を上げての祭典の中巻き起こった爆弾魔事件のお話。
でもその中で描くテーマはやっぱり「ロボットと恋ができるか」ということでした。一貫してますね。
こっちからしてみれば悩むまでもなく「別にいいじゃん」となるんですが、まあ当人にしてみれば大問題ですよね。特にフラウは“実験都市と同じ”なんていうよく分からない特徴まで持っているわけですし。
でも、あれこれ思い悩む隼人の傍らであっけらかんと笑っているフラウを見ていると、やっぱりどうでもいいんじゃないのと思えてきます。だって可愛いんだもの。そうでしょ。
鉋博士のプログラム云々の話は結局詭弁っぽかったけれど、そんなことより隼人がフラウのことを好きだという気持ちの方がずっと大事でしょう。
もっとも逆に、フラウの側の「好き」がどういう「好き」なのかいまいち判然としないところがちょっと気になりますけれども。


チハチナやかなめは今回も地味に活躍。チハチナは相変わらずおいしいキャラですね。もっとシリーズが続いたら、きっとさらに大活躍していたことだろうと思います。
かなめは本来ならフラウと共に隼人を奪い合う立場なんでしょうけど、そこまでは描かれませんでしたね。今後もし隼人たちの仲が発展したら、たぶん何かアクションを起こしてくることでしょう。そのあたりはもう想像するばかりですが。
1巻では派手にやらかしてくれた京子があまり出てこなかったのは残念でした。彼女もかなり面白いキャラだと思うんですけどね。物語の外で隠れて大冒険していても驚きません。
まあこんな感じで、色々とキャラたちの今後についても思うところがありますが、お話はとりあえずここでおしまいです。
隼人とフラウの物語はまだ道半ばで、真のハッピーエンドはもっとずっと先ですが、ふたりの行く末に少しでも幸があるように願います。
土屋先生の作品はずっと追っているので、新作も楽しみにしています。今度はどんなお話でしょうか。


ARISAを1体分けてほしいです。爆弾はなしで。