まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 暴虐の三頭龍

ストーリー
魔王アジ=ダカーハの攻撃から黒ウサギを庇い、満身創痍となった十六夜
仲間を逃がすため、命を懸け対峙したはずが、その圧倒的な力の差に距離を取ることさえできない。
さらなる絶望を求めた魔王は、己の分身体を生み出して飛鳥たちを追わせ……。



今回は前半が本編、後半が短編2本という変則構成。
元々短編集となる予定だったところに本編をねじ込んだそうですが、ぶっちゃけどっちつかずですし、短編集なら短編集で出してもらいたかった感が……。
本編になにか大きな動きがあったなら別だけれど、正直大してお話が動いたとは思えないんですよね。基本ずっとバトルしてただけですからね。


最強種の魔王アジ=ダカーハ。単独で都を壊滅に追いやるその圧倒的な力を前に、十六夜さんも打つ手なし。
とはいえ、体はボロボロになりながらも魔王を驚かせるような強さをしっかり見せてくれるあたりはさすがといったところです。
飛鳥と耀はまた新たな力を披露。今までの彼女たちでは到底太刀打ちできなかったような敵を相手に、目を瞠るような戦いぶりで、彼女たちも十六夜に追いつかんと一足飛びに成長していることが伺えます。
そういえば十六夜さんはしてるんですかね。成長。元が過ごすぎるからちょっとわからない。


後半の短編はずいぶんと時系列をさかのぼって、アンダーウッドでの収穫祭の頃のお話。
本編の方がここしばらく命を賭けたバトルばかりだったので、普通の(?)ギフトゲームに妙にほっとしてしまいました。平和的でいいですね。冷静に考えると平和的でもなんでもないですけど。
リリとコッペリアの微笑ましい友情にもほっこり。友達のために一生懸命な女の子は見てるだけで癒されます。
黒ウサギへのプレゼントなんて話、そういえばありましたね。ヘッドホンの件もそうですが、忘れた頃に、しかも本編外のところで伏線を回収されると「何の話だったっけ」と困惑してしまうので、できれば覚えているうちに早めに回収してもらいたいところ。
ということで十六夜が贈ったプレゼントについても早いところ……。


今回の本編ははっきり言って硬直状態でした。
次は物語が動くということで、この八方塞がりの状況に一同がどんな活路を見出すのか楽しみです。


飛鳥さんは次回からぜひその南方の服でよろしくお願いしたい。