まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

夜姫と亡国の六姫士Ⅰ

ストーリー
エルゲン王国の第二王女にして勇猛果敢な戦女神バイオレッタ
その傍にはいつも一騎当千の兵である六姫士が控えていた。
領地を奪り戻して王国を復興させることを目指し、少ない軍勢を巧みに用いて奮戦する復興軍だったが……。



舞阪洸先生の新シリーズということで手に取りました。
強大な敵国に祖国の大半を奪われながらも孤軍奮闘を続ける王女と、その側近にして将である6人の「姫士」のお話。
設定等々しっかりしたファンタジーのようですし、1巻は状況説明かなと思いきや……なかなかの衝撃が待ち受けていて驚かされました。


目を引くのがキャラクターの多さ。エルゲン側のメインキャラだけでも、王女バイオレッタ、六姫士、侍女ティターニアが一気に登場してくるので、どれがどのキャラだったか少々混乱させられました。まあファンタジーにはつきもののことだと思うんですけど。
六姫士にはそれぞれ「剣姫士」「識姫士」といった呼び名がついています。ただ強い将というだけでなく、各々異なる役割を負っていて、自分の得意分野で活躍できる人材が6人。なんと豪華な。
まだ1巻目で出番も限られてはいましたが、それでもきちんと6人それぞれの人物と強みが描かれていて、丁寧にキャラ造形をしているなと思いました。
今のところ「魔姫士」スナイデルッラと「忍姫士」カオルゥが好きです。スナイデルッラは最初こそよく分からない怪しげなキャラでしたが、ある魔術の場面で一気に、こう。イラストの影響かもしれませんけれども。ジト目が可愛かったから……。


戦記ファンタジーなので軍と軍の戦いがメインのはずなのですが、ぶっちゃけそれ以上にエロ描写が印象的でした。
バイオレッタがどうやらソッチの人なので、女同士でやりたい放題やっちゃってます。なんというかこの人は無敵ですね。色んな意味でね。ごちそうさまです。
もちろん戦いの方もしっかりやってます。六姫士の能力を活かし、敵の裏をかき、少数で大軍を打ち破る爽快さは見事のひと言でした。
図で軍の位置や動きを示してくれていたのは嬉しいですね。文章だけでこういった戦いの様子を思い描くのって、結構疲れるのです。


順調にストーリーも進み、ライバルとしての敵国の王女も登場し、さあここからが本番。
……の、はずだったのに。どうしてこうなった。
まったく恐ろしいことをしてくれるものです。なるほど、これがプロローグへとつながるわけですね……してやられた。
いやしかしこれは、いよいよもって続きが気になるシリーズになりました。次はどんな展開を見せてくれるのか、実に楽しみです。


イラストはこ〜ちゃさん。各キャラを描いたモノクロイラストが良かったです。
次はぜひ戦闘中のイラストも見てみたいですね。


ティターニアさんは地味に相当な大物臭。