まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!7

ストーリー
文化祭の劇の相手役を急遽長谷川が演じることになり、緊張しまくりの柏田。
そんな中、長谷川の前に三年前から別々に暮らしていた兄が現れる。
長谷川の秘密を知ってしまった柏田は、二人をなんとか仲直りさせようとするのだが……。



学園ラブコメの華・文化祭編。
面白かった! 特に奇をてらっているわけでもないのに惹きつけられるんですよね。純粋に王道を走ってくれるのが気持ちいい。
ヒロインとくっつきそうでくっつかなくてという微妙な距離感を行き来しつつも、ストーリーの方はしっかり進めてくれているのにも好感が持てますね。
特に今回は長谷川さんとの関係が大きく動いて、いよいよ目が離せなくなってきた感があります。


クラスの劇で白雪姫! 片思いの君とキスシーン! そう、これぞラブコメの鉄板中の鉄板。いいじゃないですか。こういう青春を送りたかったなあ! 男女あべこべの配役なんてこのドキドキに比べれば些細な問題に過ぎないのですよ。
思えば長谷川さんともずいぶん打ち解けました。何の気なしに破壊力抜群の台詞を放ってくるから彼女はずるい。なんと罪な女か!
他方、長谷川以外のヒロインも負けてはおりません。
なんといってもまずは小豆ちゃん。彼女はもう、あまりに不憫すぎて見てられないです。
柏田は彼女の想いに気付く気配さえなく長谷川さんのことばかり見ているし、小豆ちゃん自身そのことがしっかり分かっていて、自分は一歩引いて柏田のことを応援しようとしているところがもう健気で健気で。作中で一番幸せになってほしいヒロインは桃でも長谷川さんでもなく、小豆ちゃんかもしれません……。
小豆ちゃんとくっついて! とまでは言いませんが、せめて彼女の気持ちに気付いてあげてほしい。頼むから。ほんと頼むから。
あと語るべきはムラサキさんですかね。相変わらず悪女でした。可愛らしい女子大生からこんな風に接されたらそりゃ落ちるわ。だって男子高校生だもの。
自分の魅力をしっかり分かっていてやっていそうなところが実に小憎たらし可愛い(新語)。メインヒロインには成り得ないとはいえ、ある意味で最強の刺客は彼女に違いありません。


遂に明かされる長谷川さんのオタク嫌いの真相。今回も柏田はよく頑張りました。
そして物語は、もう後には引き返せないところまでやってきてしまいました。
柏田、長谷川さん、桜井さん。そして桃。複雑に絡まり合った関係が、これをきっかけにどう動いていくのか、気になって仕方がありません。
ああ、早く続きが読みたくてたまらない。次巻もめちゃくちゃ楽しみです。


柏田の立場にはどうあがいてもなれそうにないので、せめてお化け屋敷のお化け役になって桜井さんの足を掴みたい。そんな人生でした。