まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

アリス・リローデッド2 ヘヴィ・ウェイト

ストーリー
《ゾォード》との戦いに仲間たちと共に打ち勝ち、破滅の未来を回避することに成功したミスター・マグナム。
だが、彼の前にもう一人の《予言する者》、《魔犬》スティールが立ちはだかる。
ビッグホーン牧場とロッキーに危険が迫り、そして再び戦争の危機が訪れようとしていた……。



2巻のメインは「ショットガン・クイーン」ロッキー。アリスと並んだ表紙がなかなかに素敵ですね。
アリスの盟友ですが1巻ではそれほど目立っていなかったと思うので、しっかりキャラの掘り下げをしてくれて嬉しい。お嬢様キャラは大好きなもので。
文章や台詞、風景描写や小物に至るまでが相変わらずお洒落で、西部ロマンがハートにビシバシと来ました。
ただ、今回はミスターの前世の記憶と未来の夢とが頻繁に本編に混じってきていて、ちょっと読みにくい部分もあったような気がします。重要な伏線を忘れていたりもしそうで怖い。一度整理しておきたいですね。


アリスは普段はボケボケ、でもここぞという場面では頼りになるというギャップが一番の魅力。
ではロッキーの方はといえば、淑女然とした日常での振る舞いと嵐のような戦いぶりにやはりギャップがあって格好良いキャラだと思います。
アリスは「前の」アリスとはだいぶ差があるようですけど、ロッキーはそうでもないようにも見えますね。そもそも「前の」ロッキーについての描写がまだ少ないのでなんとも言えないところではありますが。
「前の」ロッキーもミスターにぞっこんだったんでしょうか。銃にガチで惚れるってのがまた凄いけれど、まあミスターはSo coolですからね! 仕方ないね!
アリスといいロッキーといい、女の子が不毛な恋に落ちていくのには残念感がありますが、恋に恋するお年頃と考えればさもありなん、というものです。
どう考えても銃と人間がくっつくことはありえないので、恋愛が成就するようなことはないんでしょうけど、まあとりあえずは鈍感ミスターが気付いてくれることを祈るのみであります。
他キャラでは、新登場のメリーがおいしい働きぶりを見せてくれました。こういうキャラ、王道ですが大好きです。
個人的にはもっともっと活躍してくれても良かったと思うので、ぜひ次巻以降にも登場してもらいたいですね。


不幸な未来を避けるために行動した結果新たな不幸を呼び寄せてしまうというジレンマ。
全てが上手くいくというわけではありませんが、まあ今のところは確実に前よりもいい方向に向かっていると思うので、ミスターにはこれからも頑張ってもらいたいところ。
そろそろ未来を知っているというアドバンテージもなくなりつつありますが、いざそうなった時に、アリスやロッキー、そしてバンプと共にどんな決断を下していけるのかということが、今後の大きなポイントになってくることでしょう。
また何か大きな流れがやってきそうな予感。次巻も楽しみです。


巻頭の地図、もうちょっと詳しく描いてくれないものか……。