まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

生徒会探偵キリカ4

生徒会探偵キリカ4 (講談社ラノベ文庫)

生徒会探偵キリカ4 (講談社ラノベ文庫)

ストーリー
二学期最初のビッグイベント・体育祭を控え、臨戦態勢に入る生徒会。
白樹台の体育祭は、運営権と予算枠3000万円を賭けた体育科とのガチンコバトルだった。
普段は生徒会と反目しあう朱鷺子や郁乃とも一致団結し、勝利への作戦を考える生徒会一同だが……。



今回は1冊まるごと使って白樹台の大イベント・体育祭が描かれました。あの天王寺孤徹をして3年間負け続けているという体育科との因縁の対決。
生徒会メンバーはもちろんのこと、朱鷺子さんや郁乃さんまでが会長と協力して強大な敵へ立ち向かっていく展開には胸が燃え立ちます。いつも敵対してる相手と一緒に戦うっていいよなあ。
まあそんなこと言いつつ、郁乃さんあたりにはあんまり出番が回ってこなかったんですけどね。ぶっちゃけ体育祭ですし、中央議会も監査も大して関係なかったみたいですしね。
朱鷺子さんの方はしっかり運動の方で大活躍していましたが。さすがは会長の元右腕といったところですか。


新キャラ・瀧沢瑠威那が登場。白樹台の権力者の例に漏れず変人で、なんていうか魔王陛下です。
いかな変人とはいえ何しろ孤徹・朱鷺子・郁乃の敵となるキャラですから、秘められた実力は確かなもの。キリカやひかげたちが真っ向勝負を挑むのに申し分なしの相手でした。あの選手宣誓には、不覚にも熱い気分にさせられてしまいましたよ。
日常パートでも、ひかげとの漫才が良かったですね。もちろんこんな掛け合いができるのもひかげのつっこみスキルあってこそ。ボケ担当ばっかり増えていくせいでひかげさんの仕事量が加速度上昇ですよ。漫才のできる詐欺師への道一直線ですね!
ボケ担当といえば今回表紙に抜擢された美園先輩。気のせいかいつもより下ネタ増量でお届けしていたような気がします。男子寮のくだりとかほぼ変態でした。もちろんそこがいいんですけど。
正直言って美園先輩は、会長やキリカのように際立った能力を見せるわけではないし、ストーリー上で大活躍をするわけでもないんですが、生徒会での掛け合いでは欠かせないキャラだと思います。ボケがどんどんテクニカルになってきた感さえあり、もしひかげと漫才コンビを組ませるならやはり彼女をこそ推したい。


体育祭の運営権のために本気になる面々の中、あまりやる気を見せない我らがひかげさん。
なるほど会長を初めとしたメンバーは確かに飛び抜けた人たちですが、ひかげのような一般庶民だからこそ気付けることだってあるのです。まあひかげが凡人なのかというと、それもまた首をひねるところではありますけれども。
それから、今回のひかげは「キリカのために」という明確な目的を持って動いていたのが印象的でしたね。今までもそういう部分はありましたが、改めてひかげがキリカをどれだけ(無意識に)想っているのか分かってニヤニヤホクホクです。
これだけまっすぐな愛情を向けられたら、そりゃあキリカだって心揺れてしまうというものですよね。そろそろぐっと距離が縮まってもいい頃だと思うのですが……何か大きなイベントが来てからでしょうか。そのときが待ち遠しい。


伊藤部長が毎回地味においしいところを持っていっている気がする。