まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか3

ストーリー
突如憧れの女性【剣姫】アイズと再会を果たしたベル。
アイズからの申し出で、ベル彼女から直々に戦い方を教えてもらうことに。
順調に戦い方を身につけていくベルだったが、憧れの人の背中はあまりにも遠く……。



あとがきによれば第一部完、ということで物語開始当初からの因縁に決着がつく第3弾。
表紙のとおり、アイズさんが満を持して大活躍する巻でした。こういうのを待っていたんです!


前半はベルとアイズさんがふたりだけの秘密の特訓で何やらいいムードに。やだ、蜜月……。
1巻2巻と、アイズさんから逃げ惑うベル君にはたいへんやきもきさせられましたが、ようやくきちんと知り合うことができてほっとしています。これで大手を振って「ダンジョンに出会いを求めるのは間違ってなんかいないんだ!」と言っていけますね。
憧れの人と親密になれた(?)一方で、横たわる力の差を改めて見せつけられるベル。相手は超一流冒険者、こちらは駆け出しに過ぎないのですから焦っても仕方ないのですが、好きな人と並び立ちたいという願望はそんな理屈で我慢できるものではありません。
幸い、ベルには人一倍強くなれるスキルがあり、チャンスがあります。そしてそのチャンスを逃さないだけの努力を欠かさないからこそ、諦めずに遠い背中を追いかけていけるのでしょう。ほんと、微笑ましい主人公ですね。


因縁の敵ミノタウロス。いくら成長したとはいえ、レベル1のベルには荷が勝ちすぎる相手。さらにベルの心には、あのときの恐怖がまだ鮮明に残っていました。
逃げても誰からも文句は言われないだろう状況で、それでも戦いを挑もうとするベルの熱い気持ちに胸が震えます。
エイナさんには怒られるでしょうが、惚れた相手にそうそう何度も助けられてたまるもんですか。そうですよね。
アイズやリヴェリア、ベートといったロキ・ファミリアの眼前で圧巻の戦いぶりを披露してくれたのがまた気分爽快でした。見たか、これがうちのベル君だぞ!
アイズとの出会いは、恋というだけでなく、肉体的にも精神的にも、ベルにとって大きな意味のあるものとなりましたね。


ひよっこ冒険者からいきなり飛び出してしまったベル。これから彼はどうなってしまうのでしょうか。
今後のさらなる飛躍には期待しつつ、抜け切らない危なっかしさがなんとも怖い。どこかで大きな失敗をしてしまわないか、注意深く見守っていきたいですね。
アイズはもちろん、ヘスティアとの関係も少しずつ変化していきそうな予感。あ、シルさんのことも忘れてないですよ!


限定版小冊子のゲストイラストが豪華すぎて笑ってしまった。