まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか2

ストーリー
《サポーター》として迷宮探索に同行したいとベルに話しかけてきた少女・リリ。
少し不審に思いながらも、リリの助けもあって、ベルは順調にダンジョンを攻略していく。
一方で、リリが所属する【ソーマ・ファミリア】には悪い噂が絶えず……。



冒険者になって以来ひとりでダンジョンに潜ってきたベルにも、ようやくパートナーが登場。
ということで、今回は新キャラ・リリをめぐるお話でした。
明らかに何か裏があるリリのことをあっさり信じてしまうベルは危なっかしくもあり、しかしこのお人好しさこそが彼のいいところでもあり。
エイナさんがつい親身になってしまうのも分かるような気がします。なんか放っておけない主人公なんですよねえ。


確実に成長を遂げているベルの戦いぶりが熱い。ステイタスの伸びの影響に、ヘスティア・ナイフや、リリというサポーターまで得たことで、ぐっと稼げる冒険者になってきました。もちろんまだまだ初級冒険者ではありますが。
そして何より大きな変化が、1巻では空になっていたステイタスで、いつかは来るんじゃないかと思われたあの力です。
得るにしてももっと後だろうと思っていたのだけれど、意外なほど早かった。神の恩恵はいつも唐突。
フレイヤの一方的かつひねくれた愛情が結果的にベルのことをどんどん強くしているわけですが、ドーピングみたいなもので、いつかやってくるだろう反動が怖いですね。


エイナさんからデートに誘われてみたり、アイズさんから膝枕されてみたり、ベルの“出会い”はまだまだ順調のご様子。
いやはや、エイナさんは面倒見のいいお姉さんではあるけれど恋愛までには行かないだろうと思っていただけに不意打ちでした。
冷静に考えて、顧客とプライベートで会っちゃってるけどいいんですかねこれ! その上プレゼントまでしちゃってたり、ベル君に近づく不穏因子を調べるために探りを入れてみたり、「面倒見がいい」を通り越して完全に惚れてるなと思っちゃうレベル。
一方のアイズさんは直接のやりとりこそ少ないけれど、ひとつひとつの破壊力が凄いですね。
もともとベルの憧れの君ですし、高嶺の花でもある彼女が、ベルのことを気にかけているような様子を見せるだけでどきどきしてしまいます。ベルもいい加減逃げ回るのをやめて話してみればいいのに。このヘタレが!


無邪気に過ぎるベルとの関わりを通して、冒険者への悪感情に囚われていたリリが少しずつ心を溶かしていくさまに、胸がほっこりしました。
真の仲間を得てまた一歩先へと進んだベル。さて、次はどんな素敵な出会いが待っているのでしょうか。
エピローグのラストからすると、やっと期待の展開が訪れそうな予感です。ううん、楽しみ。


シルさんの影が早くも薄くなってきたような……。